舞台『殺人の告白』大林素子×岡田夢以×加藤里保菜 対談

SUPERNOVA(超新星)のユナクさんと堂珍嘉邦(CHEMISTRY)さんが共演する、舞台『殺人の告白』が、2022年6月17日(金)からサンシャイン劇場で上演される。
本作は、映画「殺人の告白」を初舞台化。映画「殺人の告白」は、韓国史上最悪の連続殺人事件とも言われている実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」からインスピレーションを得て描いたサスペンス作品で、時効成立後、突然自らの罪を告白し世間の注目を集める容姿端麗な連続殺人犯と、事件を執拗に追う刑事、そして愛する人を失った残された者たち、それぞれの思惑がぶつかり、国を揺るがす犯罪ショーへと発展していく。舞台版では、連続殺人犯イ・ドゥソクをユナクさんが、ドゥソクを追う刑事チェ・ヒョングを堂珍さんが演じ、脚本・演出・映像をヨリコ ジュンさんが担当する。
今回は、ドゥソクの告白本の出版を手伝う出版社の社長オ・ソヨン役の大林素子さん、ヒョングの婚約者チョン・スヨン役の岡田夢以さん、被害者遺族チェ・ガンスク役の加藤里保菜さんに役柄についての思いや公演への意気込みを聞いた。

――まずは、それぞれが演じる役柄について教えてください。

岡田夢以 私が演じるチョン・スヨンは、チェ・ヒョングの婚約者の役で、過去の時間軸で登場します。登場数は多くはないですが、出演するどのシーンもパンチがあるシーンばかりです。キーになるシーンに登場する重要人物です。

加藤里保菜 私は母親を殺害された被害者遺族のチェ・ガンスク役で出演します。今はボーガンの選手をしていて、復讐心を持った女性ですが、劇中では子供時代の可愛らしい少女の姿の映像も登場します。どういう背景があって今のたくましい姿になっているのか、彼女の描かれていない部分を、すり合わせをしながら稽古をしています。

大林素子 私が演じるオ・ソヨンは出版社の女社長という役どころですが、原作映画とは違ったイメージの役になるよう演出家のヨリコさんからリクエストがあり、今、模索しているところです。かなりシビアでシリアスなシーンが続く中で、ソヨンは次の展開までの合間に登場することが多いんです。きっと、私の登場している時間帯が、息が吸える時間帯になってくると思います。テレビならばトイレに行く時間(笑)。なので、空気をガラッと変え、皆さんを引き立てることができるよう頑張りたいと思っています。

――サスペンスフルで緊張感のある展開の本作ですが、最初に脚本を読んだ時と、実際に稽古を重ねた今では、作品や役への印象は変わりましたか?

岡田 最初に脚本を読んだ時は、可愛らしさが前面に出ている女性というイメージだったのですが、ヨリコさんからスヨンの設定年齢をもっとあげて、落ち着いた女性像を強く持って欲しいとリクエストがあり、役の印象は大きく変わりました。

大林 稽古が始まった当初は、もっと初々しい感じのお芝居をしていたもんね。

岡田 そうなんです。ですが、スヨンは、堂珍さんが演じるヒョングの婚約者ということもあって、堂珍さんとの年齢のバランスを合わせて欲しいという思いも(ヨリコさんに)あったんだと思います。

加藤 私は、元々映画が大好きなので、この作品の原作の映画も観ていましたが、(映画は)アクションシーンが多く、それによって物語が大きく動いていく作品だと感じていました。車などの“もの”を使ったアクションも多かったので、舞台化するには限界があるんじゃないかと思っていたのですが、実際に稽古でそれらのシーンを観て、ヨリコさんが演出をつけたらこんなふうになるんだという驚きと面白さがありました。映画の良さは殺さず、でも舞台ならではの演出で。ぜひ、カーアクションのシーンがどう表現されているのか、楽しみにしていただきたいです。

大林 私も、これがどう舞台化されるんだろうと、脚本を読んでも想像もつかなかったので、稽古がすごく楽しみでした。今もまだ全貌はつかめていませんが、ヨリコさんがマジシャンのようにいろいろと仕掛けているので、どのように仕上がるのか期待しています。役柄としては、ソヨンは、きれいではない部分もしっかり描かれていて、それが浅ましさにつながるという役だと思っていました。ですが、ヨリコさんに「感情が整わない人でいいんです。全部のシーン、誰からも感情移入されない役でいいんです」とおっしゃっていただいて、気持ちが楽になったのと同時に、より難しさを感じています。感情移入されない役を作るのは、勇気がいることなので、読んで抱いた印象とはまた違うキャラクターを作り上げていきたいと思っています。

――ヨリコさんの演出の印象は?

岡田 私とJ役の前川泰之さんのシーンで、立ち回りだけでどう妖しさを出すかを、現場で話し合ったのが印象的でした。人間の欲を明確に見せるためにどう動けばいいのか、この人の持つ性癖をどう表現すれば観ている方に分かりやすく伝わるのかを、私も一緒に考えて。すごく衝撃的なシーンになると思うので、ぜひ注目していただきたいです。

加藤 ヨリコさんは「ダメ出し」という言葉を使わないんですよ。「リクエスト」という形をとってくれるんです。その言葉の使い方一つでも、私たちにどう向き合ってくださっているのかが感じられて、すごくお芝居がやりやすい稽古場です。必ず話し合いの場を設けてくださるので、ありがたいですし、より役を深めることができていると思います。

大林 一緒に作っていっているという実感を持たせてもらえるよね。ただ、私はこれまでの経験では、演出家の描く絵があって、それにはめ込むというパターンが多かったので、何をしてほしいのかを知りたいという思いもあります。なので、ヨリコさんがして欲しいことを聞いてしまっています。ヨリコさんは「もう少し慣れてからにしようと思ったんだけど…」と言いながら、ヨリコさんの持っているイメージを教えてくださるので、私はそこから作り上げることが多いですね。

――ユナクさん、堂珍さんの印象はいかがですか?

岡田 堂珍さんは、とても優しい方です。声色も落ち着いていて、ゆっくり丁寧に話してくださるので、私も穏やかな気持ちでお話をさせていただいています。私はユナクさんとのシーンはないので、まだあまりお話ができていませんが、演じているお姿を観ていて、映画が舞台化されているという感覚を強く感じています。

加藤 お芝居はもちろん、殺陣も間(ま)の取り方も、スター性がありますよね。お二人のポテンシャルの高さは本当にすごいと感心しています。堂珍さんが演じるヒョングは、映画ではもっと男臭く、現実味のある汚い部分も描かれる役なので、私は堂珍さんのイメージとは違うんじゃないかと最初は思っていたんです。ですが、実際にヒョングとして立っている姿を拝見したら、ヒョングそのもので。堂珍さんなりのカラーがあって、堂珍さんにしか作れない人物に仕上がっているのに、映画と変わらない印象もあって…すごいなと思います。

大林 ミュージカル「RENT」ファンの私からすると、“「RENT」の2人”というファンとしてはたまらないラインナップです(笑)。(ユナクさんと堂珍さんは2015年・2017年公演でロジャーをWキャストで演じた)そういう意味でも、お互いのことをよく知っているお二人なので、コミュニケーションもディスカッションも非常に盛んですし、最初から信頼関係がある状態でスタートしたので、非常にスムーズな稽古場だったと思います。堂珍さんは、稽古の最初から独特の雰囲気を作り上げていて圧倒されましたし、ユナクさんはすごく努力されている姿を見てきました。やはり、セリフのイントネーションは難しいところも多いようで、ずっと稽古されているんですよ。本読みでは読みきれなかった言葉も、立ち稽古が始まる頃には全てクリアになっていたので、役に取り組むその姿勢からたくさん学ばせていただいています。

――最後に、公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

岡田 スヨンは、登場人物たちの心情を左右する重要な役柄だと思っているので、大切に演じたいと思います。登場するシーンは物語のキーとなるシーンばかりなので、細かいところまで観て楽しんでいただけたらと思います。舞台版だとこうなっているんだと、映画との違いも感じていただけたら嬉しいです。頑張ります!

加藤 派手なアクションシーンや被害者遺族たちが胸に秘めている復讐心、それにところどころに入るユーモアなど、映画で描かれていた要素が、舞台でどう表現されているのかをぜひ、生で観て確認していただけたらと思います。ヨリコさんのこだわりの詰まった演出を楽しんでいただけると思います。

大林 コロナ禍で舞台やイベントから離れていた方もいらっしゃると思いますが、ようやく少しずつ日常が返ってきました。我々もできる限りの対策をしてお待ちしておりますので、ぜひ皆さん勇気を持ってご来場いただけたらと思います。損をさせない自信があります。人それぞれ感じることは違うとは思いますが、必ず何かを持ち帰っていただける作品です。ぜひ、劇場で体感してください。

取材・文 /嶋田真己

舞台「殺人の告白」は、2022年6月17日(金)~26日(日)サンシャイン劇場にて上演。チケット好評発売中!チケット詳細は公式HPにてhttp://s-kokuhaku-stage.com/


公演概要
舞台「殺人の告白」
【出演】
イ・ドゥソグ/ユナク
チェ・ヒョング/堂珍嘉邦
グァンス/小南光司
チョン・スヨン/岡田夢以
カン・ドゥヒョク/日向野 祥
チョン・テソク/白又敦
チェ・ガンスク/加藤里保菜
チャン・ミジャ/大林素子
J/前川泰之
チョン・ウヌ/岡田浩暉
【原作】 Jung Byung-gil
【脚本・演出・映像】 ヨリコ・ジュン
【協力】 SHOW BOX
【日時/会場】 2022年6月17日(金)~26日(日) サンシャイン劇場
【チケット料金】 全席指定 9,900円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【チケット発売日】 3月22日(火)18:00~
【主催】 舞台「殺人の告白」製作委員会
【お問い合わせ】 サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
【公式HP】 http://s-kokuhaku-stage.com/
【公式Twitter】 @s_kokuhaku