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柿澤勇人&濱田龍臣が語る日本発のオリジナルミュージカル『東京ラブストーリー』に挑む強い決意

漫画家・柴門ふみが1988年に発表した漫画『東京ラブストーリー』。1991年にはテレビドラマ化され大ヒット。漫画を原作としたミュージカル『東京ラブストーリー』が11月27日(日)に東京建物 Brillia HALLにて幕を開ける。ミュージカル版ではコロナ禍前の2018年の東京を舞台に、永尾完治(カンチ)、赤名リカ、三上健一、関口さとみの4人を中心とした恋愛模様が描かれる。音楽は、グラミー賞受賞作曲家ジェイソン・ハウランドが全曲を書き下ろした。演出は、ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』(2021)でスタフォード・アリマと共同演出を務めた豊田めぐみ、脚本・歌詞は佐藤万里が手掛ける豪華スタッフ陣だが、キャストも素晴らしい布陣となっている。「空キャスト」と「海キャスト」というチーム別のダブルキャストで、笹本玲奈、唯月ふうか、廣瀬友祐、増子敦貴(GENIC)、夢咲ねね、熊谷彩春などが華を添える。そこで今回は、ダブルキャストで主人公の永尾完治役を演じる柿澤勇人と濱田龍臣に話を聞いた。世代の違う2人が本作にかける熱い想いを交わし合う仲睦まじい対談となった。

――今作は、日本初演及び日本発のミュージカルとなり、原作ファンの方も含め、多くの方の期待が高い作品ですね。

柿澤勇人 最初に出演のお話をいただいた時はびっくりしました。日本発のミュージカルを上演することは、現代の日本において珍しいことですし、僕がそんな作品に出演できるとは想像もしていませんでした。ですが、僕自身もいつか日本オリジナルのミュージカルに挑んでみたいと思っていたので、出演が決まった時は、不安よりも「頑張ろう」という気持ちが強くなりました。

濱田龍臣 僕はミュージカルに出演するのが初めてで、永尾完治役をいただいた時から、稽古場に来て本読みや歌稽古をこなしていく内に、僕の俳優人生において重要な作品に出演することになると実感するようになって、胸が躍りました。父親や母親が原作の漫画を読んでいたり、テレビドラマを観ていた世代だったので、出演が決まったことを両親に少し自慢しながらも(笑)、僕にとって新しい挑戦になると信じています。

――ここまでの稽古はいかがですか。

柿澤 大変な稽古が続いています。日本発のミュージカルをゼロから立ち上げることの難しさを痛感している毎日です。脚本の台詞は日々変わりますし、その都度、みんなで対応していかなければならない。なので、「空」と「海」チーム関係なくダブルキャストのみんな、アンサンブルの方達やスタッフを含めて、皆で話し合いながらより良い作品になるように今作を作り上げている最中です。

濱田 ストレートプレイとはまた違った感触が、ミュージカルの稽古にはあると実感しています。ミュージカルであれば、歌のパートになると、心情の切り替えを即座にしなければいけないんです。つまり、感情の流れの「跳躍」が大切だと感じたので、その「跳躍」をどうしたらお客様にわかりやすく伝えることができるのか試行錯誤をしています。柿澤さんの「空」チームのお芝居を拝見して、参考にできるところは吸収しながら、「このシーンは僕たちらしいお芝居にしよう」と僕らの「海」チームで話し合いを繰り返して、「海」チームならではの芝居をお見せしたいと思っています。柿澤さんがおっしゃったように、日本発のミュージカルということもあって、稽古場に来るたびに、脚本の改訂稿が机の上に置いてあって(笑)、シーンに大きな訂正が入ったりするので、みんなで必死に食らいつきながら稽古をしています。

――今作の特色は柿澤さんたちのいる「空キャスト」と濱田さんたちがいる「海キャスト」とはっきり分かれていますが、それぞれのチームをご覧になってどのような印象を受けますか。

柿澤 若さというのはどうやっても生み出せない!(笑)

濱田 あはは(笑)。

柿澤 僕たちは僕たちらしいやり方で稽古をしながら着実に歩みを進めていますが、1度シーンを通すだけでやはり疲れてしまうんです。それでも、「海」チームは僕たちのお芝居をいつも観ていて、勉強熱心で、若さもあって疲れ知らずでエネルギーに溢れています。ミュージカルは、とにかく俳優の肉体のエネルギーを出さないと成立しないので、彼らの熱意に感心しています。

濱田 「空」チームを見ていると、演技の強弱の付け方や、必要によっては演出家の豊田めぐみさんのおっしゃったことをこなしながら、さらに「空」チームらしさを加えたお芝居をしてシーンに厚みを加えていく。そういったことを観察していると、「なるほどこういうお芝居の方向性もあるな」という僕たちへのアドバイスを提示してくださる気もします。「空」チームのみなさんが、僕たちに演技を見せてくれることで、お手本になるところもたくさんあるし、頼りになる先輩たちでとてもありがたいです。

柿澤 褒めすぎだよ(笑)。

濱田 本当ですよ(笑)。

――(笑)。演出の豊田めぐみさんの印象はいかがでしょう。

柿澤 正解を粘り強く最後まで探るタイプの演出家だと思います。今回は新作ということもあるし、豊田さんも大変だと思うのですが、「このシーンはこうしよう」と断定せずに、どうしたらシーンの見せ方が良くなるのか、みんなで話し合い、そして僕たちも納得するまで粘り強く演出をしてくださる方です。

濱田 豊田さんが「このシーンはこうしよう」とおっしゃられて稽古をしていけば、ある程度は完成したシーンができると思います。それでも、豊田さんはそこに妥協しないでさらに良いシーンを作ろうとされる揺るぎない決意のある方だと感じます。いつもお芝居の正解を探り続けているし、「こういう方向性があるから演じてみよう」という提案をどのシーンでもしてくださるので、俳優側も「こちらの方向もあるのでは?」というディスカッションができる風通しの良い座組を作ってくれます。そのおかげでどのシーンも、僕たちと豊田さんで協力し合って磨き上げて、より良いシーンを作り上げることができるのでご一緒していて頼もしいです。

――ジェイソン・ハウランドさんのナンバーはいかがでしょう。

柿澤 素敵な曲がたくさんあります。1幕のラストに流れる赤名リカの「24時間愛してるってささやいてよ!!」という名台詞を歌にした「24時間の愛」というナンバーは、日本のミュージカルシーンの歴史に名を刻む美しい曲だと思います。他の曲もそうですが、一度聞くだけでメロディーがわかってしまうようなキャッチーでポップな楽曲揃いで、日本人のどの方の琴線にも触れると思います。

濱田 僕は2幕で歌われる、赤名リカと関口さとみのデュエットの「私らしく」はテンポも良くて思わず口ずさんでしまいます。彼女たちが自分らしくいることの素晴らしさと決意を歌うナンバーですが、彼女たちの生き様のかっこよさが垣間見えて、どちらのチームのキャストで聴いても鳥肌が立ちます。それにしても、実際に歌うとなると難しい曲が多いですよね……(苦笑)。

柿澤 そうだね(笑)。音域は幅広く、様々なオクターブを使うナンバーが多いので、聞いていると良い曲ですが、歌うには体全体を使わないと歌として成立しないんです。本番までにはまだまだたくさんの歌の練習が必要だと思っています。

――ちなみに、今作を含め、どのミュージカルでも良いのですが、歌う時に気をつけていらっしゃることはありますか。

柿澤 会話を歌にする時は、できるだけ喋るように聞こえたら嬉しいのですが、心情を歌にする時は、心にたぎる情熱をきちんと歌にする必要があるので、その情熱がいかにお客様に伝わるのかを大切にしています。歌には音程とリズムが必ずあるので、どちらもしっかりとキープしつつ、今作でいえば、カンチが抱く恋愛に対する想いがきちんとお客様に伝わるように歌いたいと思います。

濱田 何も考えずに良い音程とリズムでなおかつ歌詞の意味もお客様に伝わるように歌えたら嬉しいのですが、それほど簡単にはいかないナンバーが多いので、音程を取るにはどうするのか、歌っている自分の体勢はどうしたらいいのか、このシーンの感情の真実は何なのか、歌詞の意味はどうなのか、様々なことを頭がパンクするぐらい考えながら歌っています。ブロックごとにシーンを区切って歌うと上手くいくのに、シーンを通して稽古をする場合、歌う時に焦ってしまうケースがまだ生まれるので、これからの稽古ですべての楽曲がナチュラルにシーンに馴染むようにしていきたいと思います。

――脚本を読んだり、ここまでの稽古を経て改めて、お二人が演じる永尾完治はどのような人物だと思いますか。

柿澤 恋愛も仕事も何事にも一生懸命ですが、優柔不断でなかなか上手く世間を渡っていけない不器用さがあります。恋愛に関しても、自分の想いを好きな相手に伝えたいのに行動に移せないもどかしい男性でしたが、リカとの出会い、さとみや三上健一との再会を通して成長していく。今作では、カンチの成長していくプロセスや結果を楽曲の雰囲気にしっかりマッチさせることができれば嬉しいです。

濱田 今回のミュージカルでは、カンチは地方から東京に来て1ヶ月しか経っていない設定なので、東京という都会に来たからこそ自分の夢を叶えられるかもしれない期待と、東京で上手に過ごしていけるのかという不安を抱えて揺れ動きながら生きています。ただ、大切な人たちとの出会や再会を通して、仕事や恋愛でも、自分が向き合わなければいけない壁を乗り越えようと奮闘して、自分にとって大切なものを見つけ出そうとする芯の強いキャラクターだとも思っています。

――同じカンチ役を演じるお互いの印象はいかがですか。

柿澤 僕よりも一回り年齢が下なのに、お芝居もクレバーで上手だし、カンチ役の演技を見ていると思わずピッタリだと感じさせられるので、僕にとっても勉強になるところがたくさんあります。今回が初ミュージカルで、しかも日本発のオリジナルのミュージカルに挑戦するハートの強さにも感動します。どんなことがあっても絶対に逃げずに、立ち向かっている姿がかっこいいですね。

濱田 ありがとうございます(笑)。ストレートプレイの舞台には多少の慣れがありますが、柿澤さんが演じられて歌っているカンチを拝見した時に、僕は本物のミュージカルの世界に足を踏み入れたんだと感動しました。何より柿澤さんは、歌だけでなく、お芝居の居方も見事にカンチ役にハマっていて、僕はもっと努力しなければいけないと痛感させられたし、ついつい「同じ役だよな」と考えさせられました(笑)。もちろん、年代が違うチームがダブルキャストで演じるところが今作の魅力だと思っているので、僕たちのチームらしいお芝居や歌があると思っています。それでも柿澤さんの演じるカンチは、舞台にいる僕たちと向かい合っている時の演技と、お客様に対して見せるお芝居のスイッチの切り替えのタイミングが自然で、違和感なく『東京ラブストーリー』の世界に溶け込んでいて、そこから歌にスッと入って歌い上げる姿は凄いとしか言いようがなくて尊敬しています。

柿澤 照れますね(笑)。

――(笑)。お時間が短くなってきたので、今作は恋愛を主題にしていますが、今作の脚本を読まれたり稽古を体験して、「恋愛」とは何かと聞かれたら、簡潔にどんなお答えをされますか。

柿澤 難しい質問ですね(笑)。恋愛とは、よくも悪くも人を変えてくれる魅力があるので、どんな方にとっても大切なものだと思います。恋愛という経験を通して人は成長できると感じています。

濱田 そうだと思います。今作のナンバーで、「夢」と「絶望」というキーワードが出てくるのですが、恋愛の本質を射抜いている気がします。今作は恋愛を通して、人は幸せと不幸せの波に乗りながら、それでも諦めず強く生きていけば必ず人として成長できるというメッセージがお客様に伝わる作品になっていると思います。

――それでは、最後に意気込みをお願いいたします。

濱田 自分自身が挑戦したことのない未知なるジャンルの舞台に出演することは、俳優としての大切な一歩になると信じています。ミュージカル『東京ラブヴストーリー』で精一杯に永尾完治を生き抜いて、新しい「濱田龍臣」に成長できれば嬉しいです。

柿澤 日本で日本発のミュージカルを作ることが挑戦だと思いますし、日本にいる僕らにも高いクオリティーの舞台を作ることができるとお客様にお見せしたいです。みんなで一丸となって最後まで駆け抜けたいと思っています。ぜひ、劇場に足を運んでください。

■プロフィール
柿澤勇人(かきざわ・はやと)
1987年10月12日生まれ、神奈川県出身。2007年に劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」でデビュー。その後は、映画、テレビドラマ、舞台など幅広く活躍を続けている。主な出演舞台に『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』、『スリル・ミー』、『海辺のカフカ』、『ロミオ&ジュリエット』、『デスノート The Musical』、ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』などがある。出演待機作にミュージカル『ジキル&ハイド』(2023年3月上演予定)がある。

■プロフィール
濱田龍臣(はまだ・たつおみ)
2000年8月27日生まれ、千葉県出身。子役時代から大河ドラマ『龍馬伝』や『怪物くん』等で注目を集め、16歳で史上最年少のウルトラマンとして『ウルトラマンジード』の主人公として抜擢。その後、多くの映画、テレビドラマに出演。2020年には三谷幸喜作・演出『大地』で初舞台を踏む。主な出演舞台に『オレステスとピュラデス』『更地』などがある。

取材・文 / 竹下力


公演概要
ミュージカル『東京ラブストーリー』
【出演】
【空キャスト】
永尾完治:柿澤勇人
赤名リカ:笹本玲奈
三上健一:廣瀬友祐
関口さとみ:夢咲ねね

【海キャスト】
永尾完治:濱田龍臣
赤名リカ:唯月ふうか
三上健一:増子敦貴(GENIC)
関口さとみ:熊谷彩春

長崎尚子:綺咲愛里

和賀夏樹:高島礼子

永野亮比己、引間文佳
新井希望、尾関晃輔、上條駿、今野晶乃、咲良、高瀬育海、俵和也、照井裕隆、妃白ゆあ、町屋美咲、安福毅、矢吹世奈、吉﨑裕哉(五十音順)

スウィング:大村真佑、高井泉名(五十音順)

【原作】柴門ふみ『東京ラブストーリー』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
【音楽】ジェイソン・ハウランド
【脚本・歌詞】佐藤万里
【演出】豊田めぐみ
【日時・会場】
<東京公演>2022年11月27日(日)~12月18日(日)東京建物 Brillia HALL
<大阪公演>2022年12月23日(金)~25日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<愛知公演>2023年1月14日(土)刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
<広島公演>2023年1月21日(土)~22日(日)JMSアステールプラザ大ホール
【チケット料金】※全て税込み価格 ※未就学児童入場不可 ※全席指定
東京公演:S席 11,500円/A席 9,000円/B席 6,000 円
大阪公演:全席 12,500円
愛知公演:S席 12,500円/A席 11,500円
広島公演:S席 12,500円/A席 11,500円
【お問合せ】
東京公演:ホリプロチケットセンター:03-3490-4949
大阪公演:梅田芸術劇場:06-6377-3888
愛知公演:東海テレビ放送 事業部:052-954-1107
広島公演:TSSイベント事業局:082-253-1010
【公式HP】
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