朗読劇『タチヨミ』の仕掛け人・松野太紀が語る本作の魅力

声優、俳優とマルチに活躍を続ける松野太紀がプロデュースを手がける朗読劇『タチヨミ』の第十巻が、2月8日(水)より、サンシャイン劇場で上演される。舞台上には数本のマイクスタンドがあるだけで、キャストは声のみで物語を伝える。さらに、演目は同じでも声優・俳優の演じる役は毎日変わるという新感覚の朗読劇として注目を集めている。そこでプロデュースだけでなく演出・出演もこなす松野に話を聞いた。

ーー『タチヨミ』の企画を立ち上げた経緯を教えてください。

声優の卵と勉強する機会に恵まれて、彼らにより良い環境で、これまでの成果を発表できる機会はないか模索しながら、同時にプロの声優の凄さを生でお客様に感じていただく場所を設けたいと長年考えていました。そんな時に、新人声優だけでなく、手練のプロの声優も混ざって、演じる役の扮装をせずに、マイク1本に声一本、喋り一本で、お客様を揺籠から墓場だけでなく宇宙まで連れていくことのできる想像力の豊かさに満ちた『タチヨミ』の原型となる朗読劇のスタイルを思いつきました。その初演から10年経ち、ここまで続けられたことに素直に驚いています。

ーー『タチヨミ』というタイトルはどのように決まったのでしょうか。

誰か聞いてくれないかと思っていた質問なので嬉しいですね(笑)。実は僕が名付けたわけではなくて、今作にも脚本として参加して下さっている金沢知樹さんが名付親です。金沢さんは2022年に草彅剛さん主演の映画『サバカン SABAKAN』で監督デビューされて皆さんご存知かもしれませんね。僕は彼が主催を務めていた「劇団K助」の作品に参加したのがきっかけで仲良くさせていただいています。ある日、僕が「朗読劇をやりたい」とお伝えしてタイトルを相談してみたら、金沢さんが「『タチヨミ』は?」と……。確かに、「タチヨミ=立ち読み」という言葉は僕たちが絶対に一度は口にし(笑)、我々にとってとても大事な何より「本=台本」に関わっているところから、たくさんの味わい深い意味を汲み取り『タチヨミ』にさせていただきました。

ーー今作の副題も面白いですね。「grateful〜感謝、観劇、雨のち…sunshine〜」とつけた意図をお聞かせください。

これまで副題をつけるときはパッと思い浮かぶことが多いのですが、今回は、10周年の記念公演ということもあってなかなか決まらなくて大変でした(笑)。考え続けてみると、このシリーズを10年間続けてこられたのはお客様のおかげですし、素直に感謝を伝えたかった。チラシは感謝状をモチーフにしていますが、もちろんお客様だけでなく、支えてくれるスタッフやキャストも含め、僕から「ありがとう」の気持ちを伝えたくて、「感謝感激雨霰」という言葉の語呂を借りてつけました。それから、今回の劇場が、歴史あるサンシャイン劇場ということもあるし、ここ数年、世の中は大変なことが続いているけれど、いつか太陽が輝いて僕たちを照らして欲しいという願いも込めて劇場の名前を参考に着想してもいます。

ーーキャストはどのように決めたのですか。

基本的には、共演したことがあったり、『タチヨミ』に出演して下さった方の推薦です。それから自分の感覚に合った方にお願いしています。作品がオムニバス形式なので、結果的に色々な役に対応できる方に出演していただくことが多いですね。これまでは声優の方に特化していたのですが、前作からスパイスとして、俳優の佐藤仁美さんに出演していただいたり、今作では演劇の新しい道を模索し続ける「劇団新派」の看板女形、河合雪之丞さんに出演のお願いをしました。新たな化学反応が楽しみです。

ーー脚本の場合はどのようにして作家を決めていくのでしょうか。

キャストの場合と似ていますが、僕は小劇場の舞台に長きに渡り出演していた時期があって、そこで知り合いになって、話がわかりやすく、尚且つ笑って泣ける要素を書くことができて、僕もいつの間にか物語にのめり込んでしまうようなセンスをお持ちの作家の方にお願いをしています。

ーーでは、今回のステージ構成についてお聞かせください。

これまでは下北沢にある「下北沢小劇場B1」という劇場で上演することが多くて、セットを作ったことがなかったのですが、今回は規模の大きな劇場で公演するので、スタイリッシュなセットを組みたいと考えています。それからマイクも5本に限定にして朗読していましたが、マイクの数を増やして、サンシャイン劇場でしかできない公演にしたいと思っています。

ーーちなみに、声優の方はライブと収録では語りに違いが生まれるのでしょうか。

ステージ上で演者は、お客様のエネルギーを非常に強く感じとります。その直接的なコミュニケーションが生まれるからこそ、スタジオとはまた違った演者を作り上げることとなります。そしてそれはリアルにダイレクトに届けられることに心血を注ぎます。ですので、意外とこの『タチヨミ』でしか出逢うことができない演者にめぐり逢うこととなるでしょう。

ーー最後に、お客様にメッセージをお願いいたします。

今作に出演される声優の方に対して、お客様が抱かれるイメージはあると思いますが、そのイメージを壊さない役を演じていただくこともあれば、思いっきり壊してしまおうと考えてもいます。そういう意味で、『タチヨミ』でしか観られないお芝居があると思います。普段ではなかなか聞けないと思う配役での組み合わせになると思います。どうぞ楽しみにして下さい。ピアノとフルートの生演奏、そこに歌唱と。毎日、毎回が2度と同じ組み合わせで観られないフェスのような、カーニバルのようなめくるめく世界が広がる朗読劇です。ぜひ、劇場に遊びに来てください。

取材・文 / 竹下力

「朗読劇タチヨミ-第⼗巻-」grateful〜感謝、観劇、⾬のち…sunshine〜は、2023年2⽉8⽇(⽔)〜 2⽉12⽇(⽇) までサンシャイン劇場にて上演。只今、チケット好評発売中。plus aマイページからもご購入可能です。詳しくはこちら


公演概要
タイキマニアプロデュースVol. 18「朗読劇タチヨミ-第⼗巻-」grateful〜感謝、観劇、雨のち…sunshine〜
【演出】 松野太紀
【脚本】※50音順
金沢知樹/ 桐木啓子/ 倉沢学/ 萩森淳/ 深緑きいろ/ 三ツ⽮雄⼆/ ⼭崎洋平/ ⼭下平祐
【【出演】※50⾳順
⿇⽣かほ⾥/ 伊藤かな恵/ 緒⽅恵美/ 河合雪之丞/ 川島得愛/ 神⽥朱未/ 岸尾だいすけ/ 草尾毅/ 新垣樽助/ ⾼乃麗/ 冨永みーな/ 中井和哉/ 名塚佳織/ 野島健児/ 松野太紀/ 三ツ⽮雄⼆/ 皆⼝裕⼦/ 吉野裕⾏
【演奏】 ⽯川祐介(ピアノ)、鎌⽥邦裕(フルート)
【⽇時】 2023年2⽉8⽇(⽔)〜 2⽉12⽇(⽇) サンシャイン劇場
2023年2月8日(水) 19:00
出演︓麻生かほ里  / 緒方恵美 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 草尾毅 / 新垣樽助 / 高乃麗 / 松野太紀 / 皆口裕子 / 吉野裕行
2023年2月9日(木) 19:00
出演︓麻生かほ里 / 緒方恵美 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 新垣樽助 / 高乃麗 / 野島健児 / 松野太紀 / 吉野裕行
2023年2月10日(金) 19:00
出演︓麻生かほ里 / 伊藤かな恵 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 草尾毅 / 新垣樽助 / 高乃麗 / 冨永みーな / 中井和哉 / 松野太紀 / 三ツ矢雄二 / 吉野裕行
2023年2月11日(土) 12:30
出演︓麻生かほ里 / 伊藤かな恵 / 笠原弘子 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 草尾毅 / 高乃麗 / 中井和哉 / 松野太紀 / 吉野裕行
2023年2月11日(土) 17:00
出演︓麻生かほ里 / 伊藤かな恵 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 草尾毅 / 高乃麗 / 中井和哉 / 名塚佳織 / 松野太紀/ 吉野裕行
2023年2月12日(日) 12:30
出演︓麻生かほ里 / 伊藤かな恵 / 笠原弘子 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 高乃麗 / 松野太紀 / 吉野裕行
2023年2月12日(日) 17:00
出演︓麻生かほ里 / 伊藤かな恵 / 緒方恵美 / 河合雪之丞 / 川島得愛 / 神田朱未 / 岸尾だいすけ / 高乃麗 / 名塚佳織 / 松野太紀 / 吉野裕行
【チケット料⾦】 S席︓8,500円/タチヨミシート︓5,000円※全席指定・税込
※タチヨミシートは、2階後⽅席になります。
※タチヨミシートは、⼀般発売より販売いたします。
※未就学児童⼊場不可
※チケットをお求めの前など、随時劇場ホームページや公演に関するご案内をご確認ください。
※ご購⼊後の返⾦・クレーム及びお席の振替は⼀切お受けできません。予めご了承ください。
【問い合わせ】 キョードー東京 0570-550-799(オペレーター平⽇11:00〜18:00/⼟⽇祝10:00〜18:00)
※サンシャイン劇場などへお問い合わせいただいても、ご回答できかねますのでご了承ください。
【主催】 エイベックス・エンタテインメント / タイキマニア
【公式HP】 https://tachiyomi-official.com/
【公式twitter】 @Tachiyomi_TM