「役者陣にとって難易度が高い作品」佐藤流司主演、橋本良亮共演 舞台『近松忠臣蔵』開幕取材会レポート

2025年5月30日（金）より）東京・IMM THEATERを皮切りに、舞台『近松忠臣蔵』が開幕した。初日に先駆け、同日に公開ゲネプロと取材会が実施された。

本作品は、近松の末裔である、近松洋男氏の『口伝解禁 近松門左衛門の真実』をもとに、この二人が、歴史の流れに飲み込まれながらも、真逆と もいえる異なる生きざまで三十年に及ぶ友情を貫いた、男同士のドラマを描く。
大石役を佐藤流司、門左衛門を橋本良亮が演じるほか、近松勘六役を瀧陽次朗、浅野内匠頭長矩役を瀬戸祐介、吉良上野介義央役を細見大輔、竹本義太夫役をブラザートムが演じる。上演台本・演出は、鈴木勝秀。音楽は、鈴木勝秀の作品では、欠くことができない大嶋吾郎が担当。時代物でありながらも、ロックテイスト溢れる音楽で、作品に絶妙なテンポ感で舞台に彩りを綴る。

ゲネプロ後に行われた取材会には、佐藤、橋本、瀧、瀬戸、細見、ブラザートム、そして鈴木勝秀が登壇した。

ーー皆さまより初日に向けての意気込みをお願いいたします。

佐藤：無事、稽古も終えまして残すところは皆さまにお会いするだけというところでございます。我々役者陣にとって難易度が高い作品になってると思いますので、しっかり初日を成功させていい幕開けになりますように頑張っていきたいと思います。

橋本：もう本番迎えるだけなんですが、すごく緊張しています。ですが、来てしまったものなのでやるしかないなという思いです。今日のゲネプロでもところどころいろんなことが個人的にありまして・・すごく不安です（苦笑）。本番を迎えられるか心配なんですが、やっちゃいたいと思います（笑）。お願いします。

瀧：初日から千秋楽まで元気に頑張っていけたらいいなと思っております。お願いします！

瀬戸：忠臣蔵という数々演じられてきた中で、僕らがやる意味というものをなんとか見つけ出しました。私、浅野としては、吉良と浅野の新しい関係がこの舞台で見せられるんじゃないかなと思ってワクワクしております。漫才じゃないんですが、漫才みたいになっちゃうところもあるので、そこを是非見ていただけたら嬉しいなと思います。

細見：今回のお芝居は基本的に瀬戸くんとしか絡んでないので、流司くんやはっしーと全く違う芝居をやっているんじゃないかって、そんな不安にもなるかもしれませんが、まずは主演の2人を見ていただいて、そのあと僕たちのことも思い出してくれたらいいなと思います（笑）。

トム：えーっと。そこそこ頑張ります。（一同笑い）

――もうちょっといただけますか（笑）。

トム：もうちょっとそこそこ頑張ります。（一同笑い）

――演出の鈴木さんにお伺いします。今回どのような見どころを持って臨まれたんでしょうか。

鈴木：前に近松門左衛門の若い頃の芝居を作ったんですが、その続編ということになっています。いろいろと説明が足りないとこもあるのかもしれないんですが、基本的には忠臣蔵の話がメインなので、そこのところを楽しんでいただければなと思います。音楽はロックでガンガンに攻めて忠臣蔵とロックがどんな風に融合してるのかというようなところもぜひ見ていただきたいと思います。

――今回の舞台が決まった時の率直な感想と、演じていて一番楽しいところ、難しいところをお聞かせください。

佐藤：またこうしてスズカさんのもとはっしーくんとバディを組めることが楽しみだなって思ったのが最初です。一番楽しいシーンは・・どこだろう。2年前にもバディを組ませてもらっていたんですが、そのシーンが一瞬出てきたところのアドリブ感。一番難しいシーンは、最後の、いろんなテクニックというか小先の技術を捨ててずっと立ってはっしーくんと2人で芝居しているところ。あれがやっぱりひとつエンジンをかけ損ねるともう上げる材料がないので、それが難しいかなと思っています。

橋本：全く一緒です！

佐藤：そうなの（笑）？

橋本：（笑）。最初に聞いた時は、あ、ついに来たかという気持ちでした。2年前の『逃げろ！』の本番中の時にスズカツさんと流司とスタッフさんとの食事会でこのお話があって今回、実現したんですよ。だから言ってみるもんだなというか（笑）。その時、流司と一緒にまたやりたいねってスズカツさんにけっこう推したんです。そしたら実現したので、またこの終わり際に「またやりたいです」っていうような話をさせていただくかもしれない（笑）。難しかったシーンは、アドリブをどこに入れようかっていう感じですかね。

佐藤：確かに。

橋本：そこがちょっと難しいところかなとは思います。入れるところがなかなかないので。けっこう真剣に芝居したり歌ったりしてるんで。入れるところはちょっと難しいんですが、何か所か狙ってやりたいなと思ってます。楽しいところは、流司と逆で最後のシーンの2人で立って芝居するところがものすごく楽しいです。動いていた方がセリフも入るしやりやすいと思うんですよ、演者としては。立って芝居するって結構難易度高くて。何にも頼らずに自分の力だけでお客さんを感動させるというのを楽しみたいなと思っています。

瀧：率直な感想は、よっしゃー！です。ほんとにただただ嬉しかったです。好きなシーンは、お2人（佐藤と橋本）がペロペロ言ってるのを聞いてる時です。そこは毎回楽しませてもらってます。難しいところは、最初は元気で楽しそうに出てきたけど、浅野と吉良の問題が出た時に、死を惜しまない青年を演じるのは少し難しいなと思いました。

トム：この話を聞いた時、このメンバーだと聞いたのでこれならやりたいと思いました。

佐藤：嬉しい。嬉しいです。

トム：1番難しいシーンは、今こうやって立ってることです。（一同笑い）

トム：1番楽しいシーンは、全部が終わったあとにお客さんと同じ気持ちでいられるくらいの緊張度があることがすごく面白い芝居だなあと、出させてもらって嬉しいなと思っております。

瀬戸：このお話をいただいた時は、題目が忠臣蔵ということだったので僕自身すごく構えていて、これは役者人生かけてやろうって思っていたんですが、撮影で初めてスズカツさんにお会いしたときに、「忠臣蔵は勉強しないでいいよ」という風に言われて（笑）。「むしろ勉強しないで」みたいな感じで言われた時に、「何言ってんの！？この人」と思ったんですけど（笑）、そこで肩の実がふっと降りたんですね。そこからは自分のうちのあるものを導いていただく感じの稽古はとてもリラックスして楽しくやることができました。楽しいシーンは、キャストが6人しかいないもんですから、はっしーの歌のノリ方とか、流司の見得とか、瀧くんのペロンとか、トムさんのハケ際とかいろいろあるんですが、なんせ今回相方はこの人（細見の肩に手をあて）なので、パッと見た時にめちゃくちゃ汗かいてるんですよ（笑）。それを見ていつもたぎって、先輩がこんなに汗をかいてるんだからやろう！っと、稽古中からずっと引っ張っていただいていたので、本番も細見さんがどれくらいびちょびちょになるのか楽しみにしています。

細見：お芝居のお話しをいただいた時は、瀧くん以外は全員と共演経験があったので、そういう意味でも導入からいいチームワークでできるなという感じですごく楽しみにしておりました。楽しいシーンは、トムさんがハケ際にとんでもないことを言うシーンが毎回楽しみで仕方ないので、どれだけ逸脱したアドリブが出てくるのか今でも楽しみです。難しいシーンは、僕ら（細見と瀬戸）のシーンの後半でめちゃくちゃ早口で喋ってるところがあるんですが、なんであんなに早くは喋ってるのか僕もよくわからないんですが、そこが一番番難しいということで、皆さん本当にごめんなさいということで、ありがとうございました（笑）。

――佐藤さんと橋本さんは久しぶりの共演となりますが、前回と比べて互い変わったところ、変わらないところなどのエピソードがあればお願いします。

佐藤：変わったところは、お互い大人になって活気がなくなった。
（一同笑い）
橋本：そうですか？（笑）。確かに大人になった感じはありますね。
佐藤：落ち着いちゃいました。
橋本：落ち着きましたね。2年前の方がなんかやんちゃ感がありましたね。
佐藤：2年前は「よっしゃ！焼肉行こうぜ！」みたいな感じだったんです。今回は「ちょっとイカの刺身でも」みたいな（笑）。
橋本：食が変わりました（笑）。
細見：大人になったじゃない（笑）。
橋本：肉から魚になってる（笑）
佐藤：でも、こうやって一緒にやってると笑いに耐えない状況になってたりとかして、ずっと楽しくやらせてもらってる状況は変わんないかなと思います。
橋本：流司とやると本番が毎回楽しみなんですよ。2年前にやった『逃げろ！』でも毎回流司のアドリブが楽しみで仕方なかったんです。今回もどんなのぶちかましてくれるのかなって。お客さんが入んないとエンジンかかんないんで（笑）。僕もそうなんですけどね（笑）。それがすごく楽しみで今日の初日に何を出してくるのか、ちょっとビクビクしてます。

――橋本さんと瀧さんは同じ事務所の先輩後輩で今回一緒に共演してみて何か印象が変わったところはありますか？

橋本：大人になりましたよね？
瀧：ほんとですか？ありがとうございます。
橋本：ABC座という舞台に何年か前に出てくれてたんだよね？それ以来ぶりだもんね、お仕事。だからもう20歳にもなって。ご飯も一緒に行きまして。
瀧：ごちそうさまです。
橋本：いやいやいや。全然いい。（一同笑い）どうですか？
瀧：僕、前も言ったんですけど、そのABC座でクッキーの人っていう・・クッキーをいただいて（笑）。
橋本：そうそう。クッキーおじさんみたいになってるんですよ（笑）。瀧くんからしたら。
瀧：でも、180度変わりました。
橋本：何おじさんになった？
佐藤：煎餅？
橋本：煎餅おじさん！？
（一同笑い）
瀧：ハッピーおじさんです。
橋本：あんまり変わんないじゃん（笑）。お互いメジャーリーグが好きで今激アツなんすが、瀧くんがグローブを買ったんですよ。僕はドジャースファンなので、ドジャースのグローブを買ってこれから一緒にキャッチボールでもしようかっていう話をしてます。もう楽屋にはある状態です。
瀧：僕はパドレスが好きなんですよ。たぶん近いうちにパドレスとドジャースの試合が本番期間にあるんですけど、その日ちょっとピリピリしてたら申し訳ないです。
佐藤：やめてやめて（笑）。ピリピリしないで（笑）。
（一同笑い）

――では、最後に佐藤さんよりお客様へメッセージをお願いします。

佐藤：舞台っていつも思いますけれども、こうして取材もしていただきまして、役者によってはいいこと喋ろうとか高尚なことを言って感動に持ち込もうとするやついますけど、わたくしはそうではございませんので。舞台上で出せるものが全てだと、わたくしはそう思っておりますので、ぜひ見に来ていただいて、我々はどう思ってるのか、皆さまに何をお伝えしたいのか。そのようなことをぜひ感じて受け取ってもらえたらなと思いますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。よろしくお願いします。

舞台写真

撮影：伊藤智美／©近松忠臣蔵 2025

本作は、6月15日（日）まで IMM THEATERにて、6月20日（金）～6月22日（日）まで COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。

公演概要
舞台『近松忠臣蔵』
【上演台本・演出】鈴木勝秀
【音楽】大嶋吾郎
【出演】
佐藤流司
橋本良亮(A.B.C-Z )
瀧陽次朗(少年忍者）
瀬戸祐介
細見大輔
ブラザートム
＜ミュージシャン＞
大嶋吾郎／GRACE／沖山優司／YOKAN
【日程・会場】
＜東京公演＞2025年5月30日（金）～6月15日（日） IMM THEATER
＜大阪公演＞2025年6月20日（金）～6月22日（日） COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【チケット料金】全席指定 11,000円（税込）
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【お問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337（平日12:00～15:00）
【公式サイト】https://chikamatsu-stage.jp/
【公式X】https://x.com/chikamatsu_st