ブラック・ジャック 坂本昌行、見せどころは「ピノコとリラックスできるシーン」ミュージカル『ブラック・ジャック』本日開幕！

坂本昌行が主演するミュージカル『ブラック・ジャック』がいよいよ6月28日よりIMM THEATERで開幕する。初日を前に27日の同劇場にてマスコミ向けにフォトコールと取材会が行われ、坂本をはじめ、矢吹奈子、味方良介、大空ゆうひ、今井清隆が登場した。

「ブラック・ジャック」は、1973年に「週刊少年チャンピオン」で連載がスタートした手塚治虫の人気マンガ。そんな医療マンガの金字塔が、今回、演出・栗山民也、脚本・鈴木聡、音楽・笠松泰洋により、「命の価値」、「再生」をテーマに、生演奏でのミュージカル作品として上演する。

天才的な腕を持つ孤高の外科医・ブラック・ジャック役に坂本昌行。18年間、双子の姉の体内に存在していた畸形嚢腫（きけいのうしゅ）からブラック・ジャックによって人の姿に生まれ変わったピノコ役に矢吹奈子。安楽死専門の医師ドクター・キリコ役には味方良介、謎の拒食症に悩む女優・真理子役を大空ゆうひ、真理子の叔父で医師の白川役に今井清隆と、錚々たる実力派俳優、福本伸一、家塚敦子、岡崎大樹、村田実紗も出演し、作品の奥行きを深める。

フォトコール後の取材会では、それぞれの意気込みと見どころが語れた。

――まず、初日に向けての意気込みとお稽古場でのエピソードがあればお願いします。

坂本　『ブラック・ジャック』がミュージカルとなって開幕を迎えますが、正直、あの『ブラック・ジャック』がどうミュージカルに変わるのか稽古前は想像つきませんでした。栗山さんの頭の中には完璧に出来上がっていたのでそこについていくのにかなり脳みそに汗をかきましたが、一個一個出来上がっていく時間が非常に楽しくもあり、勉強する時間でもありました。今回は“命”というテーマを掲げて、我々もいろいろ考えさせられる時間もあり、果たして皆さんがどのように受け止めてくださって、どのように楽しんでいただけるのか、非常に楽しみにしております。

矢吹　私自身、ミュージカルが初めてになるので稽古に入る前からすごく緊張していたんですが、先輩方が優しく教えてくださったおかげで安心して臨めました。本番前日になってまだ若干緊張もしていますが、本番になったらピノコとしてただ生きるだけだなと思うので、楽しんでできたらいいなと思います。あと、私が稽古期間中に誕生日を迎えたんですけど、その時にバンドの生演奏と皆さんの素晴らしい歌声でハッピーバースデーの歌を歌ってくださったんです。きよさん（今井清隆）なんてハモってくださったりしてー

今井　すみません（焦）

矢吹　いえいえっ！その歌声がすごく綺麗で。生演奏でもお祝いをしてくださったのが初めてだったので、幸せな誕生日を迎えることができました！

味方　僕自身は2年ぶりの舞台になるんですが、稽古をやっていく中で、稽古って本当に楽しいなと感じたのと同時に俳優という仕事の難しさに改めて気づかされました。この1ヶ月弱、様々なことを考えさせられ、本当に貴重な時間でした。明日からの本番で、さらに自分の心境の変化や考え方などいろんなことがどう変わっていくのか楽しみですし、それを見てくださる皆さんにどう届くのかを楽しみにしています。

大空　私もミュージカルに出演させていただくのは久しぶりなので緊張感溢れる稽古場でした。、見てわかるとおりシンプルなセットの中で、自分たちでこのドラマを立ち上げるということを一生懸命に稽古をしてまいりました。ほんとに緊張感溢れる稽古場だったんですが、今井さんが果敢に稽古場を和ませてくれたことですごく助けられました（笑）。緊張感と和みと、非常にバランスのいい稽古場でしたので、あとはお客様が入ってさらに作品がもう一段階上がるんじゃないかなと思っております。

今井　栗山先生とは（ご一緒するのが）この作品で5回目になるんですが・・ダメ出しが多くて（笑）。出演者の人数が少ないということもあるんでしょうけども、毎日ダメ出しの嵐でそれを消化していくのが精一杯で、焦って焦って。今日も焦ってますけども、たぶん明日も焦った感じの初日になるんじゃ・・あ。そんなこと言っちゃだめか？（苦笑）

坂本（今井の肩に手をあて）落ち着いて（笑）

（一同笑い）

今井　はい（笑）。落ち着いて頑張ります。皆様にこの作品をお見せするのが非常に楽しみです。

――それぞれの見せどころをお願いします。

坂本　場面場面ですごくメッセージがあるのでここっていうのもなかなか難しいんですが、緊張感ある中で物語が進んでいくんですが、唯一ピノコが非常に明るい空気を醸し出していて、その一瞬のその温かさというか、明るさが味わえるシーンが随所にあります。僕自身はそこですかね。ピノコとリラックスできるシーン。稽古場でもみんなが緊張している中、ピノコのシーンになると栗山さんはじめ、年配のスタッフの方々がみんないい顔するんですよ。（一同笑い）そのニコニコした顔を僕たちは見ていてちょっと安心してるっていう。ピノコが裏の主役です（笑）。

矢吹　（コメントを受けて「いやいや」とジェスチャーをしながら）私は、ブラック・ジャック先生の医療シーンの手さばきを間近で見ていて本当にすごいなって思っています。医療監修で実際に先生からやり方を教えていただいたんですが、それを坂本さんが完璧にされていてすごいなって。遠くからは少し見えづらいかもしれないんですが、私の見どころはそこです。

坂本　ありがとうございます（笑）。

味方　今日、ここにまだ立っていない4人のアンサンブルの皆さんのエネルギーを稽古場で見ていて本当にすごいなと感じていました。これだけの少ない人数でこの何もない空間を埋めというのはすごいエネルギーが必要で、そのパワーに圧倒されていました。そんな彼らの前向きに生きることを考えさせられるようなナンバーが僕は好きです。

大空　『ブラック・ジャック』の漫画が原作で、ミュージカルというすごく楽しいものを想像してらっしゃるお客様もいらっしゃると思うですが、ミュージカルの楽しさの中に、人間愛や命について考えさせられるところがあったり、ピノコちゃんの微笑ましくちょっと心温まるシーンもあったりと、ほんとにいろんな角度から楽しめる作品になっていると思います。

今井　“いちの”という1つの歌に対して、場面によって非常に違った形で歌われています。ブラック・ジャックは人の命を救うための“いのち”の歌だし、私の時は、この命が助かってほしいという祈りの歌だし、真理子の場合は、生きるんだと強く願う“いのち”の歌。そして最後にブラック・ジャックとピノコが歌うのは、人生って本当に素晴らしいっていう“いのち”の歌なので、その違いを聴いてもらうのもひとつの楽しみなんじゃないかなと思います。

――最後に坂本さんよりお客さまへメッセージをお願いします。

坂本　手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』がミュージカルとなって、新たな作品として皆さんにお届けしていきたいと思います。ぜひ会場の方にいらして、命というものをもう一度考えていただけたらと思います。お待ちしてます。

舞台写真

撮影:友澤綾乃／photo by Ayano Tomozawa

ミュージカル『ブラック・ジャック』は、2025年6月28日（土）よりIMM THEATER（東京）を皮切りに、新潟、名古屋（完売）、浜松、札幌（完売）、兵庫（完売）にて上演。