鈴木保奈美、予測不可能なシチュエーションコメディに「心と体がバラバラ(笑)」舞台『汗が目に入っただけ』開幕
鈴木保奈美主演、冨坂 友脚本・演出のエクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)『汗が目に入っただけ』が、4月3日より東京・IMM THEATERにて幕を開けた。初日前日の2日、公開ゲネプロと初日前会見が行われた。
本作の脚本・演出は一つの場所で巻き起こる事件や状況で笑わせる喜劇、シチュエーションコメディを得意とするアガリスクエンターテイメントの主宰、冨坂 友。主演を務める鈴木保奈美は、2024年の舞台『逃奔政走(とうほんせいそう)-嘘つきは政治家のはじまり?-』に続き、本作で演じるのは、冨坂自身の亡くなった母親。相思相愛の最強タッグが贈る、幽霊となった母と残された家族をめぐる、予測不可能なシチュエーションコメディがいよいよ幕を開ける。
鈴木保奈美演じる森井由美子は、60歳を前にぽっくり亡くなってしまい、霊魂となって納棺式を終えた自分の遺体を見ている。
![]()
彼女の目の前には、成仏することができない問題があった。共同で喪主を務める子供たちが、自分の葬儀のやり方をめぐって揉めているのだ。
![]()
長女(足立梨花)はキリスト教式の葬儀を準備してきたが、長男(西野創人/コロコロチキチキペッパーズ)は仏教式でやるべきだと主張。共に「お母さんのために」と言う両者は一歩も引かない。
次男(小越勇輝)は仕事のトラブルでそれどころではない様子。
さらには別れた夫(田中要次)までしゃしゃり出てきて。通夜は数時間後に迫っているというのに…。
![]()
気を揉むことしかできない由美子の前に、葬儀社の担当らしき女性(蘭寿とむ)が訪ねてくるが、どうやら彼女は霊である由美子のことが見えるようで…?
亡き母の幽霊と残された家族が巻き起こす騒動を描くお葬式コメディ。
さらに今回の舞台は、『汗が目に入っただけ』の芝居と、エクストリーム競技「Kcal(カロリー)」が同時進行で繰り広げられる。
「Kcal(カロリー)」は、芝居をしながら俳優たちがどれだけカロリーを消費できるかを競うチーム対抗戦。
赤・青チームに分かれた俳優たちの熱演、そして限界に挑む消費カロリーからも目が離せない。冨坂が生み出す新感覚の「エクストリーム・シチュエーションコメディ」の渦に、ぜひ巻き込まれてほしい。
撮影:岩﨑幸哉
取材会レポート
取材会には、主演の鈴木保奈美、足立梨花、小越勇輝、西野創人、蘭寿とむ、田中要次、そして脚本・出演の冨坂 友氏が登壇。
——いよいよゲネプロが終わって初日を迎えますが心境は?
鈴木:怒濤のような4週間の稽古期間でした。その結果、チームワークは本当に素晴らしい。何が起こっても誰かが助けてくれる、大丈夫という気持ちで、とても心強いです。
足立:劇場に入って、今日初めて通し稽古を行いました。お客様の反応を肌で感じて「あ、ここで笑いが起きるんだ」というポイントも掴めた気がしています。明日からの初日も、フルパワーで挑めそうです。
大越:いよいよ開幕だ、と、少し実感が湧きました。これまで、みんなで手探りで稽古をやってきたので、明日が楽しみです。
西野: この1ヶ月間、劇場のネタ出番も少しセーブして、初めての舞台に全力を注いできました。すべてを懸けて挑んだ大事なゲネプロ(通し稽古)だったんですが……幕が上がる1分前くらいに、小道具の携帯電話を持っていないことに気付いて。
キャスト: ええー!?
西野: 「やばい!」となって、皆がスタンバイしている中、必死に携帯を探して「あった!」とポケットにねじ込んだ瞬間に、ちょうど幕が上がるという(笑)。 本当にギリギリでした。でも、この1ヶ月間死ぬほど練習してきたので「ここから立て直すぞ!大丈夫や!」と気合を入れたら、大事な冒頭のシーンで大噛みしまいまして……(一同笑い)。もう、精神的にぐちゃぐちゃになりました(笑)。ただ、演じていくうちにどんどん楽しくなってきたので、明日の初日は最初から楽しい気持ちで頑張りたいなと思います。
蘭寿:<kcal(カロリー)>の部分をみなさんがどう受け取ってくださるのか不安でしたが、笑ってもらえてよかったです。
田中:劇場に入って今日初めて通したんですが、ほんとにもう吐きそうなぐらい緊張していて。今日は噛まずにやれてるかな!?と思ったら、歌もギターもボロボロで・・
足立:そんなことないですよ。
田中:もう、今どこやってるんだろう状態になって。明日が心配。
(一同笑い)
足立:楽しみじゃないんだ(笑)。
田中:ある意味、油断テストをしたような。
西野:やっといてよかったですね。
田中:本番前に失敗しないと引き締まらないから。
西野:大丈夫かな?端の二人が失敗組にみたいな(笑)。
(一同笑い)
田中:すみません。そんな感じです(笑)。
——シチュエーションコメディをしながら、カロリーをどれくらい消費できるかを競うという画期的な舞台ですが、冨坂さんはこの仕組みはどこで思いついたのですか?
冨坂:僕はもともと、ストーリーよりも“上演形態”のほうから考えるという試みをちょこちょこやっているのですが、これは友達とご飯を食べながら思いついたので、やっちゃいました(笑)。
——演者のみなさん、この<kcal(カロリー)>という仕掛け、どんなことが大変ですか?
鈴木:とにかく体力勝負ですね…! <kcal(カロリー)>パートに関しては、普段のお芝居では「やってはいけない」とされることへの挑戦でした。……あまり良くない言い方かもしれませんが、わざとらしいオーバーリアクションなど、本来のお芝居では避けるべき表現をあえて取り入れなければならなくて。「そんなことはしてはいけない」という教えの中で育ってきたので、その真逆のことをしなければいけないという点に、稽古が始まった当初はものすごい葛藤がありました。もう、心と体がバラバラになってしまうような感覚でした(笑)。
――足立さんも当初は「<kcal(カロリー)>がよくわからない」と仰っていましたが。
足立: いまだに、完全にはわかってないかもしれないんですけど(笑)。多分、誰も正解は分からないんじゃないかなって思っているんです。でも、稽古を重ねるうちに「あ、こういうことなのかな?」というのは、少しずつ掴みかけてはいて……。 ごめんなさい!明日が初日なのに「まだ掴めてないんかい」って感じですよね(笑)。前半戦とは全く違うお芝居をするので、どこまで違和感なく、かつ<kcal(カロリー)>として分かりやすく見せるか。そのバランスは常に試行錯誤しています。
大越: 僕も全然わかってないです(笑)。(一同笑い) この1ヶ月間稽古してきましたけど、ずーっと探り続けています。でも、そうやって毎日探り続けられること自体が面白いんですよね。今日のゲネプロで関係者の方々に観ていただいたことで、ようやく「こういうものなんだな」という片鱗が見えた気がしました。明日からはお客様と一緒に作り上げていくものなんだろうなと感じていますし、それがすごく楽しみです。
西野さん:最初お話を頂いたとき、今回は消費カロリーを稼ぐ作品だということで、準備として得意の筋トレを頑張って、「さあ、いつでもカロリー消費しますよ」って思ってら、まさかの役で(笑)。ただ、<kcal(カロリー)>パートのなかでも物語があって、翔とスポコン漫画みたいなシーンがあるんですけど、僕はそこでちょっと泣きそうになります。
蘭寿さん:劇中に「芝居ってカロリーですよね」って台詞があるんですけれど、本当にその通りだなっていつも心に染みてます(笑)。ここまでのコメディは初めてなので、やっていてこんなに楽しいんだ、と。楽しくてしょうがないです。
冨坂さん:僕は、蘭寿さんは、喜劇俳優だと思っています(一同笑い)。
——後半の<kcal(カロリー)>のシーンへの切り替えにはびっくりしましたが、稽古場ではどんな雰囲気で進められていたんでしょうか?
足立:まずは、<kcal(カロリー)>抜きのお芝居をやりましたよね?(鈴木に問いかける)
鈴木:最後まで、<kcal(カロリー)>抜きで、『汗が目に入っただけ』の部分を真面目にしっかりと稽古をしました。
冨坂:20日間くらいはやりましたよね?
足立:やりました。しっかりと。ピッチリと。
鈴木:「あっ!いけるかも」と思ったら、「ここからは<kcal(カロリー)>になります」と言われて、また全然違う細かい台本がきて、「え‥」ってなって(笑)。
冨坂:いろいろ繋がったものにいろんなものが差し込まれて、これまでみんなが組み立てたのが一旦バラバラになるっていう。
(一同笑い)
――皆さんは、<kcal(カロリー)>パートのことは知らなかったんでしょうか?
鈴木: 全く知らないわけではないのですが、やはり実際に動いてみないことには、それがどういう形として結実するのかが掴めなくて。解説と実況のお2人と審判の鹿島(ゆきこ)さんが、私たちがお芝居をしているところにストップをかけていくので、「うっ・・!」となる。でも連携をしないといけないので、実況を聞きながら次のセリフを入れていくという作業は、普段のお芝居の3倍くらい複雑なことに取り組んでいるような心境です。
足立: 本読みが終わった後に説明は受けていたんです。でも、言葉でいくら説明されても実際にやってみないことには理解できなくて。20日間ほど普通に稽古を重ねた後、ようやく実践してみて初めて「ああ、こういうことなのか」と身に染みてわかってくるような感覚でした。
——いちばん大変なシーンはどこですか?
鈴木:<kcal(カロリー)>の仕掛けとは関係なく、いちばん最初のシーンですね。私ひとりがひっぱるオープニングなので、ここは自分が進めなくてはいけないな、と。あと、私は今回、幽霊の役なので、舞台上で誰も目を合わせてくれないんです。誰にも触れないし、アプローチもできない。実際にやってみたら、すごく寂しかったです。だから、唯一掛け合いができる蘭寿さんの存在がすごくありがたい!
——最後にみなさんにメッセージをお願いします。
冨坂:なかなか観たことのないコメディになっていますが、まずはあまり構えずに劇場に来てもらえたらと思います。いろんなことがたくさん起こります。劇場でお待ちしております。
鈴木:ここにいる私たち(演者)全員が、いちばん「観たい」と思っています。客席で観られないのが本当に残念です。それくらい、おもしろい作品です!ぜひ劇場に目撃しに来てください。
公演概要
エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)『汗が目に入っただけ』
脚本・演出:冨坂 友
出演:鈴木保奈美 足立梨花 小越勇輝
前田友里子 斉藤コータ 榎並夕起 津和野 諒 中田顕史郎 古谷 蓮
伊藤圭太 淺越岳人 鹿島ゆきこ
西野創人(コロコロチキチキペッパーズ) 蘭寿とむ 田中要次
制作:アガリスクエンターテイメント
日程・会場
<東京公演>2026年4月3日(金)~2026年4月19日(日) IMM THEATER
<広島公演>2026年4月22日(水)~2026年4月23日(木) 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
<大阪公演>2026年5月2日(土)~2026年5月3日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
<富山公演>2026年5月16日(土)~2026年5月17日(日) 砺波市文化会館 大ホール
<山形公演>2026年5月23日(土)~2026年5月24日(日) やまぎん県民ホール
公式サイト:https://www.asegameni.jp/
公式X:@asegameni
公式Instagram:@asegameni