『Kappa』を解剖!『教えて!吾郎さん インダストリアル・ロックってなあに?』

2021年6月5日(土)より東京・京都にて上演する空想科学劇『Kappa』。芥川龍之介晩年の名著『河童』を題材に、スズカツこと鈴木勝秀さんが上演台本・演出を手掛ける本作。
そんな『Kappa』の音楽の系統は「インダストリアル・ロック」。何だか胸が高鳴るフレーズだけど、そもそも「インダストリアル・ロック」ってなあに?どんなジャンル?何を聴けばわかる?そんな疑問を、音楽を担当する大嶋吾郎さんにわかりやすく答えていただきました!
これまでスズカツさんと長年タッグを組んでいる大嶋さん。全編オリジナル楽曲となる『Kappa』のイメージや本作のキーワードとなる内容についても教えていただきました。ぜひ、ご覧ください♪

教えて!吾郎さん インダストリアル・ロックってなあに?

Q1.「インダストリアル・ロック」ってどんな音楽?

まず『機械の騒音』をイメージしてもらうと良いかと思います。例えば工場の機械が一定のリズムを刻むかのように動いているような感じです。
ピアノやオーケストラの生演奏では決して再現できないような無機質なものとなります。
従来の楽器の生演奏ではリズムの『揺れ』によって喜怒哀楽、様々な表現を広げていきますが、その部分が一切排除されていることになります。
機械が出す無機質な一定のパターン。
そのパターン化されたミニマルな世界観に表現の可能性を見出したもの、という事だと思います。

Q2.「インダストリアル・ロック」の歴史や成り立ちを感じられるアーティストが知りたい!

現在のインダストリアルで欠かせないのが、コンピューターを使った楽曲制作です。
インダストリアルロックが生まれた時代から50年以上がたった現代も様々なアーティストが活躍していますね。
それは古いロックが昇華された音楽といって良いと思います。
みなさんに馴染みのある、日本のアーティスト『Perfume』『きゃりーぱみゅぱみゅ』はとてもポップなテクノ(電子)音楽です。インダストリアルロックの雰囲気とは違いますが、そういったあらゆるアーティストがコンピューターを使った音楽により成り立っています。

Q3.「インダストリアル・ロック」初めての人に聴いてほしい一曲

インダストリアルミュージック を聴く場合、テクノなどの電子音楽のスタイルがわかりやすいと思います。
代表的なドイツのバンド、Kraftwerk(クラフトワーク)は電子音楽の先駆者だと言えます。

『Pocket Calculator』(1981) – Kraftwerk
『Computer world』(1981) – Kraftwerk

リリースは1981年です。ちょうど40年前ですね。
クラフトワークは70年代初頭から活動していますので、膨大な数の楽曲がありますが、これらの曲はポップで楽しいですよね。

Q4.「Kappa」は全編オリジナル楽曲となりますが、制作の際のイメージと近い曲は?

イギリスのエレクトロポップバンド、Art of Noise。1986年リリースのアルバム『Daft』など今回のイメージに近いと思います。

Q5.今作の音楽系統が「インダストリアル・ロック」になった理由は?

スズカツ(鈴木勝秀)さんの舞台は音楽で進行していく一面があります。ミュージシャンの僕と演劇のスズカツさんの共通点、それはロックを糧に生きていることです。ロックってなに?という定義はさておき、カルチャーとして一番尖っていた、そしてヒリヒリとした60年代〜70年代のものがとても好きなのです。そんなロックへのオマージュとしてこれまで様々な舞台を作って来ました。
今回の『Kappa』 は芥川龍之介の作品、人間社会の強烈な風刺です。それを表現する音楽として、インダストリアル的ミニマルな世界観はぴったりです。

『ミニマル』これがキーワードかも知れません。
聞きようによっては時計が刻む秒針の音も音楽です。 そこに演劇の空間が加わります。
みなさんがどう捉えるか、脳内でどんな色付けがされるのか、舞台は限りない可能性を秘めています。

吾郎さん、ありがとうございました!

大嶋吾郎(おおしまごろう)
スタジオ、サポートミュージシャンとしてコーラス、ギターを担当。近年では舞台音楽の作編曲家としての活動も多く、幅広い音楽の嗜好と引き出し、あらゆる楽器、ノイズを駆使したサウンドメイキングにて日々楽曲を生み出している。最近の主な作品は、『地球ゴージャス・星の大地に降る涙』(21’)/コーラスアレンジ・歌唱指導、『Mogut』(21’)/音楽担当など。


公演概要
空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~
【出演】織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)/青木滉平(少年忍者/ジャニーズJr.)/ 木ノ本嶺浩、川口 龍、市川しんぺー、コング桑田
【原作】芥川龍之介
【上演台本・演出】鈴木勝秀
【日程・会場】
<東京公演>2021年6月5日(土)~6月13日(日)品川プリンスホテル ステラボール
<京都公演> 2021年6月25日(金)~6月27日(日)ロームシアター京都サウスホール
【チケット料金】全席指定 9,000円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【チケット発売日】2021年5月16日(日)10:00よりチケット一般販売開始!
【お問合せ】
<東京公演>キョードー東京 0570-550-799 (オペレーター平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
<京都>キョードーインフォメーション:0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00)
【公式HP】 https://kappa-stage.com/
【公式twitter】@Kappa_Stage