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小林亮太「ほっと息をつける存在になれたら」自身が演じる擬人化「K」の存在意義。

韓国で大ヒットとなったMusical『HOPE』の日本初演が10月1日より幕を上げるミュージカル初主演となる高橋惠子さんがホープを演じ、原稿が擬人化された、もう一人の主人公「K」を、永田崇人さんと小林亮太さんがWキャストで演じる。今回「K」を演じる小林さんに話を聞いた。

――この『HOPE』という作品のお仕事のお話がきた時、まずどんなポイントに惹かれましたか?

まず僕は新納慎也さんの演出だというところに惹かれました。プライベートで一度お会いした時に、関西のおばちゃんのような(笑)楽しさと温かさがありつつも、演劇人としての強い芯をお持ちの方だなと思い、いつかご一緒したいと思っていたので。そこをとても楽しみに思いました。

――物語に関しては、どんな印象を抱きましたか?

実話がベースになっているということで、観てくださる方の心に、より響く物語だなと思いました。人種差別や貧困、戦争という重い題材が絡んでいますが、真ん中を貫いているのはホープという女性の物語。ホープと母親の関係性、そして僕が演じるKとの関係性。様々な“愛”があって……脚本を読んで泣いたのは、僕は初めてでした。

――その物語の中で小林さんが演じるのが“K”。一風変わったキャラクターですね。

変わっています(笑)。擬人化というのは、舞台の世界ではそれほど珍しいことではないのかもしれませんが。目の前に自分を大事にしてくれる人がいて、Kもちゃんと役割があって。ただ、演じる人によって、自由に染められる役だとは思っています。僕は脚本を読んで、ホープの歩んだ道の過酷さ、悲痛さが胸に刺さりましたので、Kのひょうきんさ、おおらかさで、ホープも、そしてご観劇いただく方にとっても、ほっと息をつける存在になれたらと思いました。

――主人公のホープを演じる高橋惠子さんとは初共演ですね。

もちろんたくさんテレビや映画で拝見してきた方なので、ご一緒できることが嬉しいです! ただお美しい方ですし、ホープのような、ずっと家がなく、場所を転々としながら暮らす女性のイメージが正直なかったのですが……ビジュアル撮影の時に、本当に「ホープがいる!」と思い、新鮮でした。撮影も少しご一緒しましたが、本当に温かい方。その温かさをKとして返せるように、頑張りたいです。

――『鬼滅の刃』などで大活躍の小林さんですが、近年は本格ミュージカルへのご出演も増えていますね。ご自身としては今後、ミュージカルにどんどん挑戦していきたいと思っていらっしゃるのでしょうか。

ありがたいことに、『ALTERBOYS』も『鬼滅の刃』でも歌っていますね(笑)。両親からしたら信じられないと思いますよ。僕、歌が下手で、小さい頃は「歌うな」って言われたくらいでした。でももともと歌は自分の支えで、特に昨年のステイホーム期間もずっと音楽を聴いていました。自分の仕事として“ミュージカル”というものが明確に見えたのは、ウエストエンド版25周年記念公演の『ミス・サイゴン』。映画で観ましたが、この作品を観た時に、お芝居と歌が完全に重なり合った時に、こんなに素晴らしい感動が生まれるんだと衝撃を受けました。その時から、こういった歴史を背景にしていたり、今の時代にも繋がるテーマがあるミュージカルに携われたらなと思っていたので、今回『HOPE』に出演できることは本当に嬉しいです。頑張ります!

(取材・文:平野祥恵)


公演概要
Musical『HOPE』
Book & Lyrics by Kang, Nam Composer & Arrangement by Kim, Hyo-Eun
Original Production by R&D Works
【出演】高橋惠子 永田崇人・小林亮太(W キャスト)/清水くるみ 白羽ゆり/中山昇 縄田晋 染谷洸太 木暮真一郎/上山竜治/大沢健
【上演台本・訳詞・演出】新納慎也
【振付】 木下菜津子
【音楽監督】 落合崇史
【日程・会場】2021年10月1日(金)~10月17 日(日)下北沢本多劇場
【チケット発売日】 好評発売中
【チケット料金】 9,800 円(全席指定・税込)
【お問合せ】 atlas/ticket2@g-atlas.jp
【公式サイト】 https://www.musical-hope.com
【公式Twitter】 @MusicalHOPE2021