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「やってよかったと思う場所へ行けたら」佐藤アツヒロが抱く舞台への想い『二次会のひとたち』

脚本家・岡田惠和と演出家・田村孝裕の三作目のタッグとなる舞台『二次会のひとたち』が、2023年4月14日(金)より紀伊國屋ホールにて、2023年5月6日(土)よりCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪)にて上演される。
本作は、なぜか結婚披露宴には呼ばれず、結婚式の二次会の幹事に召集される、ちょっとワケアリ系で、拗らせ系で、捻くれ系の男女4人が繰り広げるコメディ作品。出演は、美村里江、内田理央、東啓介。そして、佐藤アツヒロといった個性的な4人の演技派俳優が集い、現代の女と男の深層心理をコミカル&シニカルに描きだす。
今回plus aでは、新郎の田舎の幼馴染で”屈折の嵐のような、ひねた男”を演じる佐藤アツヒロさんにインタビューを決行。俳優としてだけでなく舞台演出も手掛け様々な角度から数多くの舞台に携わるアツヒロさんが持つ、演劇への想いや熱量を感じた時間にこれから迎える本番がより楽しみになりました。

――オファーが来た時のお気持ちは?

僕は、演劇が好きなのでこうやってまたお話をいただけることがすごく嬉しいです。内容については、これまでにたくさんの作品をやらせてもらってきたので、そうそうビビらないです(笑)。

――これまで100本近くの舞台にご出演されてらっしゃいますね。

振り幅が半端ないですよね(笑)。毎回挑むようにやっているので、今回も本当に挑戦です。4人芝居の難しさというか、会話劇でしかもコメディということなので「ああ、大変なんだろうな」って(笑)。でもこれまでも様々なことをやってきたので、あとはどう楽しむかだと思います。今回、初めて共演する方ばかりなのでそこも新鮮ですし、これは演劇を続けてきていつも思うことなんですが、こうやってまた演劇の仲間として新しく出会えるということはすごく嬉しいです。

――4人芝居の難しさがあるというお話がありましたが、演じるうえで大事にされていることはありますか?

通る道を決めておくことでしょうか。例えば、台本の6ページ目にはこれくらいの感情をお客さんに感じてほしいということがあると、その通る道を決めて必ずその道を通る。そうすれば、どれだけ崩れても物語は走っていけるので。

――それはどのお芝居に対してもされていることでしょうか。

そうですね。お客様に“こう思ってもらいたい”という感情に持っていく作業なので。ここにいかなかったらその芝居はずっと仕上がらない。それは調子がいい時にいけるということではなく、どんな状態の時にでもいけるようにしておく必要があるんです。なので僕は、その道を稽古場で見つけます。何かを伝えたいから僕たちは演じているので、何かを伝えない演じ方はないですから。これは技術的なお話ですね(笑)。

――演出の経験を経て演者として生かせることはありましたか?

たくさんあります。単純に演者の時は演出に文句を言わない(笑)。演出をする時はいろいろ考えてるんだなって分かりましたし、勉強になりました。僕の中で演出経験というのは、演出家志望の方がやっと演出をしたということではなく、その座組(カンパニー)が、「これ、アツヒロくんが演出をした方が面白くない?」と皆さんの後押しがあってできたことなんです。自分の中で、もともとの職業自体が何をやっているか分かってないところがあって(笑)。つまり、自分は自分をやっているので何をやってもいいと思っているんです。自分の可能性の場をいただけていることはすごく嬉しいことなので、一生懸命やって頑張っていく。その経験はいろんな場で生きてくると思うので、そういった意味でもこれからもいろんなことに挑戦をしていきたいと思っています。

――これから稽古が始まりますが、いつもどのような準備をして臨まれていますか?

基本的に0(ゼロ)から始まります。0から始まるので何も用意はしないです。用意をしていたら捨てることが難しくなるので、最初から空っぽでいってそこからいろいろかき集めて役にしていきます。

――稽古場でみんなで作っていくという感じでしょうか。

そうですね。舞台は稽古があるのでほんとに嬉しいです。そこはまた演劇のいいところで贅沢なところですね。作品の素敵な一部になっていけるように頑張りたいと思います。

――日常に近いからこそ表現する難しさや大変さはありますか?

この作品は、会話と心情が動けば動くほど観ている人は楽しいと思うので、あまり芝居をしない方がいいなと思っています。芝居をする中でセリフがない時が一番難しいんですよ。舞台上にいる時って心が動いてないと居づらいので、本当はセリフがあった方が楽だったりするんです。でもこういう4人芝居は、自分が喋っていない時は残り3人のセリフを聞いてどう動くかなので、あまり考えすぎるよりも普段と変わらずやっていく方が・・・また演出的なことを言ってるな(笑)。

――聞き入っていました(笑)。

要は何でもいいんですよ(笑)。これはもう稽古場でやってみないと分からないですから。

――真っ白な状態で向かうからこそなんにでもなれるんだなと思いました。

でも最初から何も用意していないので怖いは怖いですよ。普通はみんな武器を用意しますから。僕は武器ゼロのまま向かってそこから作るので。でもその武器は強いと思います。稽古場で生まれたものですから。

――結婚式の二次会を仕切ることになった初対面の4人。ご自身が同じ状況に立たされたらどうしますか?

僕、頑張りますよ。一度引き受けたので。

―やるからには?

そう、やるからには(笑)。たぶん誰も来なくても4人でやります。せっかく出会ったんだからと言いながら。やるからには楽しんだ方がいいし、そこに起きた意味を絶対無駄にしたくないので頑張ります。よほど嫌いな3人だったら止めますよ(笑)。これは無理だと思ったら・・危険を感じたらすぐ止めます。危険察知能力は高いので(笑)。

――今日は大千穐楽。ご褒美は?

いらないです。無事に終わったことが何よりですから。それまでずっと頑張ってきたし、皆さんの協力のもとにやってきたので、無事に終えて本当に良かったなという気持ちでいつもいっぱいです。だって企画が生まれた時点からそこがゴールじゃないですか。みんなで船に乗ってやっとゴールに着いた。ご無事で何より・・ですよ(笑)。

――今回、初めましての方もいらっしゃいますが、「私の取扱説明書」 重要事項は?

無理はしないタイプです。例えば、3日喋らなくてもいいと思っています。3日喋れなくても4日目に喋れるかもしれない。だから無理して喋ろうとしないです。

――現場を俯瞰して見てらっしゃるような感じがします。

そうですね。その場の雰囲気を見て一番いいバランスって何かなって考えることはよくあります。だから目立ちたがり屋ではないです(笑)。誰かが押してくれないと前に出られないタイプです(笑)。

――日常生活のプラスアルファは?

最近、カメラと素敵なスピーカーを買ったので、やっぱり音楽とカメラがあったら心地いいなと思ってます。

――最後に、お客様さまへのメッセージをお願いいたします。

この舞台を立ち上げたメンバーの方々が「やってよかった」と思う場所へ行けたらそんな幸せなことはない。それは常に思います。そのために頑張ります。

――佐藤アツヒロさん、ありがとうございました!

あらすじ
来月行われる、結婚式の二次会を仕切ることを頼まれ、都内の某レストランに集められた男女4人。
四方田みどり(美村里江)、篠田 花(内田理央)、中内啓介(東 啓介)、遠山信夫(佐藤アツヒロ)。
この日が初対面であるが、その顔合わせに、新郎新婦の姿はない。しかも4人とも、なぜか結婚式の披露宴には招待されていない。
気まずい4人だが、肝心の二人が来ないので、なんとなく自己紹介など、重い空気感でしていると二人から超軽い動画メッセージが送られてくる。「予算少なく、派手で楽しく盛り上がれるように、よろしくね!」的な。
そこで、火がつき、4人で新郎新婦の悪口がスパーク。
暴走しきって疲れたところで、啓介が「ちゃんとやりませんか?思い切り、成功させて、喜んでもらえるように頑張りませんか?」と話だし、なんとか結束。そして、結婚式当日を迎えるのだが・・・。


公演概要
二次会のひとたち
【作】岡田惠和
【演出】田村孝裕
【出演】
美村里江
内田理央
東 啓介
佐藤アツヒロ
【日程・会場】
<東京公演>
2023年4月14日(金)~4月30日(日)紀伊國屋ホール
【チケット料金】全席指定 9,000円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【チケット一般発売】2023年3月26日(日)10:00
【お問い合わせ】キョードー東京 0570-550-799(オペレーター平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
※紀伊國屋ホールなどへお問い合わせいただいても、ご回答できかねますのでご了承ください。
【主催】エイベックス・エンタテインメント
【企画・製作】エイベックス・エンタテインメント
<大阪公演>
2023年5月6日(土)~7日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【チケット料金】全席指定 9,000円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
チケット一般発売】2023年3月26日(日)10:00
【お問い合わせ】キョードーインフォメーション:0570-200-888(平日・土曜11:00~18:00)
※COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールなどへお問い合わせいただいても、ご回答できかねますのでご了承ください。
【主催】リバティ・コンサーツ
【企画・製作】エイベックス・エンタテインメント
【公式サイト】https://nijikai-stage.com/
【公式Twitter】@nijikai_st