「『FFBE 幻影戦争』の世界がそこに”ある”と感じてもらえるように」演出 松多壱岱インタビュー

「演技」「殺陣」「再現度」の高さで観客を魅了した『FFBE幻影戦争 THE STAGE』が、
さらなる進化を遂げ、第二弾として再び舞台に帰ってくる。
2026年1月30日より東京・サンシャイン劇場、2月14日より大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて、『FFBE幻影戦争 THE STAGEⅡ』が上演される。
主演の吉田仁人(M!LK)、武藤 潤(原因は自分にある。)、川上千尋をはじめとする続投キャストに加え、桜木心菜(私立恵比寿中学)、雨宮 翔(GENIC)、福澤希空(WATWING)、鈴木萌花(AMEFURASSHI)、鈴木 曉(WATWING)ら新たな顔ぶれが参加し、物語に新たな風を吹き込む。
脚本・演出を手がけるのは、前作に引き続き松多壱岱(ILCA)。『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』や『舞台ヨルハ』シリーズなど、物語性とエンタテインメント性を兼ね備えた作品を数多く生み出してきた演出家だ。
本インタビューでは、脚本・演出を務める松多壱岱が語る、第二弾ならではの挑戦、キャストとともに作り上げていく稽古場の空気、そして“生の舞台”として届けたい世界観に迫る。
――絶賛お稽古中とのことですが、いまの稽古場の空気をひとことで言うと、どんな感じですか?
とてもいい雰囲気です。稽古が始まって4日ほどで、すべての動線を最後まで付け終えました。かなり早いペースで進んでいて、現在は返し稽古に入っている状況です。殺陣もすでに全体の3分の2ほどが形になっていて、なかなかいい流れで来ていると思います。
みんな集中力が高いですし、続投キャストはすでにキャラクターが出来上がっているので、前作ではこちらが細かく演出をつけていた部分も、今回は「自分たちで考えてきてほしい」という振り方ができています。そうした点でもスピードアップにつながっていますし、何より役者たちのモチベーションがとても高いですね。舞台以外の活動をしている方も多いので、舞台づくりという環境そのものを楽しんでくれているような雰囲気があります。それが僕にとってもいい刺激になっていますし、舞台に慣れている役者たちとはまた違ったやり取りが生まれるのも新鮮で、とてもいい時間だなと感じています。
――第二弾では14名の登場人物それぞれの物語が、どのように描かれていくのだろうと思いながら脚本を拝読しました。情景が自然と浮かび上がってくるような感覚がありましたが、ここに至るまでにはご苦労もあったのではないでしょうか。
一年半かかりました(笑)。最初は2024年の5月に、本当にざっくりとした「こんな感じです」というイメージを送ったところから始まっています。2025年の初めにようやく初稿が上がって、そこから原作の方とずっと修正を重ねてきました。なので、振り返ると一年半ですね(笑)。
――舞台化にあたって、第一弾で大切にしてきた部分は、第二弾でも変わっていないのでしょうか。
大きくは変わっていないかもしれません。物語自体が戦乱を描く作品なので、感情がぶつかり合う、少しゴツゴツした手触りのストーリーにしたいという思いは、当初からありました。『ファイナルファンタジー』の世界観を舞台上に立ち上げることはもちろん前提ですが、その中でドラマ性にはしっかりこだわりたい。その思いで第一弾を作りましたし、そこは今回も変わっていないですね。
――第一弾を終えて、松多さんご自身の手応えはどのようなところにありましたか。
2.5次元舞台の中でも、「家族のドラマとして良かった」と言っていただけることが多かったんです。それこそ、シェイクスピアの世界のような物語を感じた、という声もいただいていて、僕の中ではすごく印象に残っています。「ああ、いいものを作れたんだな」と素直に思えましたし、キャストも本当に豪華で、自分の中でもターニングポイントになった作品でした。だから思い入れも強いですし、結果的に一年半も書き続けられたんだと思います(笑)。もう一回、絶対にやりたい。その気持ちは最初からずっと強かったですね。
――今回、第二弾として制作するにあたり、前作から特に進化させたいと考えた点はどこですか?
進化という意味では、やはり続投キャストが殺陣にかなり慣れてきたので、アクション面でもしっかり見せられる舞台にしたいと考えています。前回はプロジェクションマッピングを重視した、階段を使った高さのある舞台セットだったこともあって、アクションは正直かなり大変そうでした。今回は、アクションシーンをより伸び伸びと表現できるスペースを確保した美術プランにしてもらっているので、その点は大きく進化していると思います。さらに、新キャラクターが刺激的に物語へ入ってくるので、そういった意味でも、前回を全体的に上回るものができるのではないか、という手応えがあります。
――第二弾では、前作をご覧になった方に、どんな変化や深まりを感じてほしいですか?
やはり、続投キャラクターたちの成長をぜひ楽しみにしていただきたいですね。モント自身も成長し、リオニスの王になっていますし、マシュリーもホルンの王女になっています。二人の関係性も、前作ではモントがマシュリーに怒られることが多かったんですが(笑)、今回は相棒のような関係になっているんです。そうした役の成長が、演じている本人たちの成長とも重なっていると感じています。(吉田)仁人くん自身も舞台にかなり慣れてきていますし、そのあたりが相まって、前作からご覧になっている方には、より面白く感じていただけるんじゃないかなと思います。
――では、逆に前作を観ていない方でも楽しめるポイントは、どんなところでしょうか?
物語の中では、指輪によって魔法が現れたり、魔物が登場したりといったファンタジー要素もありますが、世界観としては、いわゆる日本の戦国時代を思わせるような構造になっています。その中で、国と国がそれぞれのプライドを懸けて戦い、登場人物たちはみんな、自分なりの正義を持って行動している。その軸さえ掴んでいただければ、初めてご覧になる方にも分かりやすく、楽しんでいただける作品になっていると思います。
――初めて『FFBE 幻影戦争』に触れる方は、何か予習しておいたほうがいいことはありますか?
あらすじを軽く見ておいていただければ、それだけで十分だと思います。ぜひフラットな気持ちで観ていただきたいですし、感性で追ってもらえれば自然と理解できるストーリーなので、置いていかれることはないと思います。安心して観に来てください。
――カタカナが苦手な私としては、名前と国だけでも覚えようと頑張りました(笑)。
大丈夫です(笑)。かなりしつこいくらい説明していますから。文字情報もたくさん出てきますし、登場するキャラクター一人ひとりにしっかりスポットを当てて、「この人はこういう人物なんだ」ということが分かるような演出をしています。関係性も含めて、自然と伝わるように作っていますので、心配しなくていいと思います。
――初めて観る方も迷子にならず、最初からストーリーに入っていけるような演出が施されているんですね。ありがたいです(笑)。
稽古場で役者と向き合う中で、当初の想像から広がってきた部分はありますか?
続投キャストに関しては、いい意味で「そのままいけている」という感覚がありますね。仁人くんにしても、自分でお芝居を作っていこうという気概があるので、かなり任せられています。(鈴木)紗理奈さんも、本当に“お母さん”という存在感がありますし、赤井(沙希)さんは前回が まだ舞台経験が少なかったと思いますが、今回は稽古から気持ちが前に出る芝居をしてくれて、良い役者になったなあと感じます。(武藤)潤くんも、シュテルの持つ少し影のある雰囲気がとても似合っていて、役との相性を感じますね。
――武藤さんは、前回からぐっと大人っぽくなられた印象があります。
そうなんですよ。それがそのままお芝居にも表れています。川上(千尋)さんは、前回の時点で殺陣のセンスがあるなと感じていたので、今回はそれを大きなシーンでしっかり発揮してもらっています。
(鈴木)曉くんは、とにかく真っ直ぐで真面目で、何でも聞いてくるんですよね。初舞台ということもあって苦戦している部分はありますが、ジェーダンという役はカリスマ性が求められるので、「まだまだだよ」と言いながらも、毎回きちんと壁を乗り越えてくれている印象があります。
(雨宮)翔くんは、ナイーブなお芝居が上手な子で、感情がとても分かりやすい。まだ若いですが、確実に伸びしろを感じますね。ルティアルは少しサイコパス気味の役なんですが、桜木(心菜)さんは何かを掴み始めている感じがあって、だんだん面白くなってきています。(福澤)希空くんもかなり良くなってきていますし、悪役を思いきり楽しみ始めているんじゃないかなと思います(笑)。
――たしかに、悪役って一番楽しいかもしれないですね(笑)。
そうなんですよ(笑)。だいぶ、そんな雰囲気がありますね。あべこうじさんは本当に面白いです。いろいろ挟み込んできてくれて、すごいなと思います(笑)。お笑いと役者のハイブリッド感があって、ゲームの動画も見ながら声の出し方を意識したり、「ここ、遊べますか?」みたいなアピールをしてくれるんですよ。それがまた、ほかとは違った面白さにつながっています。
鈴木(萌花)さんは、無表情を作るのが最初は難しかったんですが、だんだん掴んできています。「だいぶ掴んだね」と声をかけたら、「はい!」って返ってきて(笑)。雰囲気がしっかり出てきて、空気感もすごく良くなってきました。
合田(雅吏)さんは、もう本当にそっくりですね。声が。さすがのギルガメッシュになっています(笑)。(安田)桃太郎さんは、ゲームの雰囲気を活かしつつ、桃太郎さん自身の空気感もあって、いい“あんちゃん感”といい“剣豪感”が両立しているのがすごく好きです。清井(咲希)さんは、もうラマダですね(笑)。ゲーム以上にラマダなんじゃないかと思うくらい。どこか不思議な雰囲気をまとっていて、星を見ているときなんかも、「何を見てるんだろう?」って思わせる空気を出せる。その感じがとてもいいなと思っています。
――主演の吉田さんのお話もありましたが、今回作品を立ち上げていく中で、演出家として改めて感じていることがあれば教えてください。
年末から稽古が始まって、いつもテレビで拝見している中で、忙しい合間を縫って稽古場に来てくれていました。最初の頃は、さすがに台本をなかなか外せなかったんですが、次の稽古からはもう台本を外して臨んできていて。本人と話してみると、「台本を読んでいるだけだと不安ばかりだったけど、稽古場に来て立って動いたら、自然と思い出して動けるようになってきた」と言っていて。その姿を見て、今回の舞台に向けて、しっかり準備や心構えをしてきたんだろうな、というのを強く感じました。
――吉田さん自身の成長も、稽古の中で感じる部分はありますか?
もちろんあります。やっぱりリターンが早いですね。「ここをこうして」と伝えると、すぐにパッと修正してくれる。そのスピードが以前よりも確実に上がっています。「大変だ!」なんて言いながらも(笑)、ちゃんと覚えてきてくれるところに、役者としての責任感をすごく感じます。
――作品や稽古場の作り方について、演出家として意識されていることはありますか?
そうですね。演出を押し付けるのではなく、役者がその場で“生きてもらう”ことが大事だと思っています。そのために、こちらからはたくさんの“種”を渡すような意識で演出を付けています。そこから何を感じて、どう動くかは、役者自身に委ねたい。
絵作り自体は、かなりがっちりと作ります。ただ、その絵が立ち上がったあとは、その中でなるべく自分の感覚を信じて、生きてほしい。そのことを大切にしています。
――そんな松多さんが演出される『FFBE 幻影戦争 THE STAGE II』を、“舞台”として届けることで、お客さまに一番体感してほしいものは何ですか?
やはり、この世界をリアルに感じていただけたら嬉しいですね。演劇として、生身の人間がファンタジーの世界をその場で演じている、そのリアリティを体感してもらえたら、それが一番だと思っています。世界がそこに“ある”と感じてもらえるように、音、映像、照明、そして演技、そのすべてを組み合わせたエンターテインメントを作り上げていくつもりです。ぜひ、劇場で体感していただきたいです。
――では最後に、開幕を迎える前の今、お客さまへメッセージをお願いします。
リオニスという国の若い王子が国王となり、さまざまな苦難を乗り越えていく物語です。その中には、家族のドラマがあり、国を守ろうとする思いがあり、いろいろな感情が交差しながら、ひとつの終着点を目指していきます。
そうした物語が、何かしら皆さんの琴線に触れるものになると信じて作っています。初めてご覧になる方にも分かりやすい作品になっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
上演第1弾『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE』
期間限定 アーカイブ再配信中!
■再配信期間:2026年1月19日(月)12:00~1月25日(日)23:59
■再配信チケット販売期間:2026年1月19日(月)12:00~1月24日(土)23:59
■再配信視聴チケット(シリアルコード):4,400円(税込)
詳しくは公式HPを参照(https://wotv-ffbe-stage.com/streaming.html)
本公演は、東京公演を2026年1月30日(金)〜2月8日(日)サンシャイン劇場にて、大阪公演を2026年2月14日(土)〜2月16日(月)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。
公演概要
FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE Ⅱ
【出演】
吉田仁人(M!LK)/武藤 潤(原因は自分にある。) 川上千尋
桜木心菜(私立恵比寿中学) 雨宮 翔(GENIC) 福澤希空(WATWING) 鈴木萌花(AMEFURASSHI)
赤井沙希 清井咲希/鈴木 曉(WATWING)/安田桃太郎 あべ こうじ
鈴木紗理奈 合田雅吏
ほか
【原作】 FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争(スクウェア・エニックス)
【音楽】 上松範康(Elements Garden)
【脚本・演出】 松多壱岱(ILCA)
【日程・会場】
<東京公演>2026年1月30日(金)〜2月8日(日)サンシャイン劇場
<大阪公演>2026年2月14日(土)〜2月16日(月)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【チケット料金】 全席指定︓12,100円(税込)※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください
【一般発売日】2025年12月14日(日)10:00~
【問い合わせ】
<東京公演>公演事務局︓https://supportform.jp/event(平日10:00-17:00)
<大阪公演>キョードーインフォメーション︓0570-200-888(12:00〜17:00 ※土日祝休業)
【公式HP】https://wotv-ffbe-stage.com/
【公式X】https://x.com/WOTV_FFBE_STAGE
【主催・企画・製作】エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
【企画協力】スクウェア・エニックス
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