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『Retrial:実験室』舞台を生み出す立役者 クリエイターに迫る

ちょっと、ここだけバナシ。

プロデューサー  加藤はるなさん 編

カフェで話しているようなリラックスした雰囲気で、作品を手掛けるクリエイターの方々に話を聞かせてもらう、“ちょっとここだけバナシ。“
今回のプラスな話を届けてくれるのは、いよいよ2月5日より上演となる『Retrial:実験室』のプロデュースを手掛けた加藤はるなプロデューサー。
2019年初演と昨年2020年の公演で大好評を期した、ミュージカル『ELF The Musical』を初め、ミュージカル『SUPERHEROISM』(20’)など、ミュージカルを中心に手掛けてきた加藤プロデューサーが今回挑むのは、新しいエンタテインメント。作・演出マギーさんのオリジナル作品となる本作の着想のきっかけや4人の実験者たちのお話しなど、キャスト・スタッフにとっても「実験の場」となる『Retrial:実験室』の魅力を大いに語っていただきました。是非、ご覧ください!

着想のきっかけをまずお伺いさせてください。

今回のキャストの方々と一緒に何をやろうかなと考えた時に、私はミュージカルが好きなので、キャストには歌って踊ってもらいたい!と思いながらテレビを見ていたら、出演者の方が突然ラップをしたり、インド舞踊をしだしたりするドラマがやっていて。なにこの楽しげな世界観!と思って脚本家を調べたらマギーさんだったんですね。ストーリーのなかで真面目に面白いことをやる、そんなワクワクに惹かれてマギーさんにオファーしたのが始まりでした。

当時、マギーさんと接点はあったんでしょうか?

なかったんですよ。なので、マギーさんが出演をされていた、ミュージカル『モンティ・パイソンSPAMALOT』(2012年・2015年・2021年/エイベックス・エンタテインメント製作)の担当のプロデューサーに紹介をしてもらったんです。それから実際にお会いをしてお話をさせていただいてマギーさんが考えてくれたのが、4人でコントやコンテンポラリーダンス、アート、歌も入れたものをやりましょう、ということだったんです。私が思い描いていたストーリーありきとは違ったけれど(笑)、こんな発想があるのか!楽しい!って。

なるほど。

マギーさんに別のお仕事でご一緒した振付師の藤田善宏(CAT-A-TAC/コンドルズ)さんや、ブレーンの佐藤満春さんを呼んでいただきました。マギーさんもこの方たちとお仕事を一緒にしてみたかったというところで、これはマギーさんからいただいた言葉なんですが、『みんなの実験の場にしたいね』というお話から『実験室』が生まれました。普段制約があってやれないようなことを『実験室』という名のもとに、自由にいろんなことを楽しくやってみようというところからタイトルが出来上がりました。

みんなで作り上げていく場なんですね。

そうですね。マギーさんもクリエイターの方に意見を求めていて、自分の思っていることだけを表現するのではなく、こういうのどうかな?ということをスタッフの方に投げられていて、みんなでキャッチボールをしながら出来上がっていってますね。私の歌って踊りたいという希望入れていただいて(笑)。

コンテンポラリーダンスというところも面白いですよね。

マギーさんが、振付師の藤田さんのコンテンポラリーダンスの要素を見て、普段ジャニーズの方が得意とされている踊りではなく、もっと違うものを見てみたいということがあったんだと思います。好きにできるからこそ普段やらないようなことをやってみるという。出演者本人たちにとっても実験の場みたいな感じで楽しくできたらなと。

そのコンセプトに対してご本人たちから何か反応はありましたか?

コントやバラエティーといった、今まであまりやったことがないことをやることで、いろんな人に観ていただいて自分たちの新たな可能性を感じてもらえたら嬉しい。ということを言っていましたね。

マギーさんのキャストとの関わり合い方をどのように見られていますか?

すごく人を見ている方だなと。自分の軸はありつつ、相手にも投げかけるところのバランスがとても素敵な方だなと思っています。無理やりいうことをきかせるのではなくて、笑いにしてお稽古場を明るくしたり、みんなにすっと届きやすいように伝えられる方だなという印象があります。

マギーさんが初めて小川さんと会った時の取材で、「僕が小川くんのことを知る為に、小川くんの好きなものを教えて』と小川さんに聞いていた時に、すごく人に寄り添う方だなと思いました。

人をよく見てその人らしさを引き出してくれる方。お稽古の初めに大喜利教室みたいなことや、コンテンポラリーダンスの身体の動かし方といったことをやっていたんですね。そんな各先生のクラスを受けているところをマギーさんが見て、彼らに沿った当て書きをしてくれているので、すごくその人らしさが出ていて。寄り添うということもそうなんですけど、丁寧に相手のことを知って、その人の活きるところを届ける人なんだなと。なので、お稽古ではそれぞれのキャラクターがハマっている!と思いながら見ていました(笑)。

自分でも知らなかった自分を知れる感じがしますね。それぞれのキャラクターとありましたが、加藤さんからはキャストはどのように見えていますか?

小川さんは、最初は自分の立ち位置に戸惑いを感じられているところもありましたが、マギーさんから自分の今の感情に素直にやってみたらいいんだよ、といわれて、小川さんのナチュラルな感じが他のキャラクターにも影響を与えてくれていると思います。小川さんが入ることによってみんなのキャラクターがまた違った形にみえてくる。

では、原さんは?

原さんは、とても周りのことを見ていて気遣いのある人。すごく熱いことを言うというよりも、わりと現実的な意見を言うんだけど、ちゃんと心には熱さがあるというか。

そういう部分がキャラクターに生きていたりするんでしょうか。

4人の中で一番年下というところもあって、お兄さんたちがハチャメチャやっているところを冷静に見る弟。みたいな(笑)。原さんは自分でどんなキャラクターがいいかを考えてきて、そのキャラクターがみんなにハマって出来上がっていったという感じです。例えば、遊園地の係員役を関西弁でやっているんですけど、そういうキャラクターは原さんが自分で考えて、マギーさんやみんなにもハマっていったという。

それこそ他の方を見て考えられるというのは、周りを見る力があればこそですよね。では、江田さんは?

江田さんは、すごくマイペースというか(笑)。でも、いろんなインタビューでもいわれていますが、スタッフ側の目線も持っている方。今回立ち位置が変わるところに関して、稽古時間が短いから(立ち位置を)どうしようという話の時に、ここだけいきなり変わるのは変だからその前から何となく直しますよ、みたいに頼れる(笑)。普段スタッフと話しているような感じで話せたので、そういう意味では(演者とスタッフの)両方の気持ちが分かる方なんじゃないかなと思います。

作り手としても心強いですね。では、松本さんは?

松本さんは、伝えるということを臆さない人。舞台上で、思い切りがいい。「これ言ったら面白いかな」とか、あれこれ気にせず、パッといえる。稽古で雑談をしているときも僕、これしたいです。あれしたいです。ということをすごく伝えてくれるので何となく残っちゃうというか(笑)。

すごく素直な方なんですね(笑)。

そう。わりといろんなことに怖がらない。変な物怖じがないというか。素直に感情や希望を伝える方だなって。

それは、お笑いでいうとスベることを怖がらずに思ったことをガンガン言えるということでしょうか。

まさにその通りで、だから今回のコントの中でもそういうシーンがあるですね。日々違うお題に即興で答えるっていう。ほんとに臆さずバンっと伝えらえるから、それが例え「えっ?」っていう回答でもその姿がもう笑いになっちゃう。ハートが強い!(笑)。

それがマギーさんが仰っていた大ボケのポジションなんですね(笑)。

人はそれぞれ違っていていいんだなということを、今回見ていて思いますね。みんなのすごくいいところが、いろんな場面であらわれているので、そういうところも感じてもらえたら嬉しいです。

今回、全員舞台に出ずっぱりと聞いたのですが。

そうですね。みんな舞台からハケなくて。他の人がコントをやっている様子を舞台上で見ていたりするので、観客としての4人も見られるというか。素で笑っていたりする様子も(笑)。なので、コントを見てもいいし、そのコントを見ている彼らの反応を見てもいい(笑)。

贅沢ですね。それはマギーさんの発案ですか?

はい。全部見せちゃおう!って(笑)。これはどうなるかまだ分からないですけど、着替えているところも見せちゃおうっていう。役となって舞台上にいるだけじゃなく、役としてもいるし、本人としてもいる。いろんな時の全てを見せようといった作り方は新鮮だなと思いました。

「舞台」というより「エンタテインメント」という感じですね。

たしかに。いわゆる私たちが思う舞台ではないかもしれないですね。なんでしょう。学園祭みたいな感じ(笑)?これ出来ないからどうする?みたいな。学園祭の時の感じに似ているかな。

いいですね。みんなで作っている感じ。

大人の学園祭みたいな(笑)。

「オモシロ+カッコイイのその先へ」とコンセプトがありますが、加藤さんが思う「その先へ」とは?

『Retrial:実験室』とタイトルにもありますが、トライをしたけど失敗をした経験って誰にでもあると思うんですよね。そういった中で、何回でもRetrialしたら「その先」には何かいいことがきっとある!っていうことだと思います。人生っていろんなことの化学反応だし実験だと思うから、何回失敗してもやり方や方向を変えたり、Retrialして前を向いて歩いていこう。その足掛かりというか、Retrialし続けるためのちょっとした栄養補給の場になればいいなと思います。難しいことはなく、ただただ楽しい時間になっているので、この時間がエネルギー源となって普段の生活で、「『Retrial:実験室』でいろんなことをやっていたから私も新しいことをやってみよう」とか、頭の片隅にでも残ってもらえたら嬉しいなと思います。

加藤さん、ありがとうございました!

『Retrial:実験室』は、キャスト・スタッフの「実験の場」。その言葉を聞いて、そこには無数の可能性が秘められているように感じ、「オモシロ+カッコイイのその先へ」のコンセプトのもと、4人の実験者たちがステージで繰り広げるエンタテインメントの数々に何を思うのかと、一層楽しみになりました。ただ笑い。ただ楽しみ。ただ遊ぶ。そんなみんなで作り上げる文化祭が皆さんのエネルギー源となり、それぞれの「その先」を見つけられたらそれはまた面白いかもしれません。


公演概要
『Retrial:実験室』
【出演】 江田 剛(ジャニーズJr.) 、松本幸大(ジャニーズJr.)、原 嘉孝(ジャニーズJr.)、小川優(ジャニーズJr.)
【作・演出】 マギー
【日時・会場】
<東京公演>2021年2月5日(金)~2月14日(日)品川プリンスホテルクラブeX
<大阪公演>2021年2月27日(土)・28日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【チケット料金】 全席指定 8,800円(税込)
【お問合せ】
<東京> サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
<大阪> キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜11:00~16:00)
【公式HP】 https://re-trial.jp
【公式twitter】 @re_trial